- テストカラー:Grand Purple(BQ4631-500)
- 主な機能:Nike Zoom Turbo, Phylon Midsole, TPU Shank Plate,TPU External Heel Counter, TPU Internal Heel Counter, Strap
- 着用した主なプレイヤー:カイリー・アーヴィング,ジャ・モラント,ディロン・ブルックス,ディアーロン・フォックス
- 価格:17,050 円・$130
Introduction
今回はKyrie Irving(カイリー・アーヴィング)の6thシグネチャー"Nike Kyrie 6 EP"のパフォーマンスレビューです。
名作だった前作"Kyrie 5"から、スペック変更はほとんどない今作。
当然発売前からかなり気になっていて、発売と同時に試着へ。
試したのはEPラストですが、足型的にもそれ以外の機能的にも十分に履けそうな感覚で、少し悩んだものの購入決定。
前作とは真逆で、今回は期待値がかなり高い中でのトライです。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
前作とは異なるパターンで「眼」を細かい「ブレード」が構成しているアウトソールパターン。
今作はEPラストなので通常のソリッドラバーでなく耐久性を高めた「XDR(Extra Durable Rubber)」が使われています。
XDRは今までの経験上、耐久性が増した代わりに、通常ソリッドよりもホコリに弱くなったり、不自然な屈曲をするような傾向がありました。
今作に関してはやはり少しホコリには弱いものの、屈曲はナチュラル。
ホコリも一度拭けば2ポゼッションくらいはしっかり止まってくれます。
これはラバー自体がソフトな事が奏功しているかと。
スキール音は全く鳴らず、静かにグリップしてくれるのは前作同様。
最高ではないものの、納得できるレベルのトラクションかと。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」と、そのフォアフットに「ズームターボ」を埋め込んだクッションセットアップ。
(ズームターボの詳細は前作"Nike Kyrie 5 SBSP"のレビュー参照)
ファイロンは前作同様に密度高めのミッチリした質感。
ミッドソールのフォア部分がアウトソールで覆われているのも同じ。
見た目は反っているフォアのソール形状が、履いてみるとほとんど気にならなくなるのも同じです。
異なるのは次の2点。
「フォアの沈み込みが強い事」と「クッションの後傾(フォアに比べてヒールが低い)が増している事」。
毎ステップでグニッとした踏み心地があり、吸収性が欲しい方には嬉しい仕様変更かもですが、ヒールは薄くこちらの吸収は物足りなく感じるかもしれません。
個人的にはいつもの事ながらフォアが吸収過剰に感じ、特に左右方向の切り返しではクッションの変形から実際に遅れが生じます。
(とは言え似たソール形状の"Kyrie 2 EP"に比べたら全然快適です)
足裏のクッションは沈むものの、フォアフットの屈曲剛性は強めで、屈曲からの復元も速い。
トータルの反発性は平均よりやや上レベルにまとまっています。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」をメッシュとヌバックのアッパーが包み、その上から「ストラップ」が覆う構造。
前作ではシュラウドがフィットに影響していましたが、今作で代わりに付いたストラップはあまり意味を成していません。
アッパーの成型に対してストラップが短過ぎ、伸縮性も無い素材のため、プレー中に剥がれてしまうケースがNBAでも自分の周りでも多発していました。
解決策としてストラップ自体を切ってしまっているケースも散見されましたね。
自分はいつものソックス2枚で着用だとたびたび剥がれていましたが、ソックス1枚に減らしたら大丈夫でした。
(サイズ詳細は本項の最後で述べます)
フォアの成型はEPラストとは思えず、グローバルにかなり近い感覚です。
ヒールはやや広く、こちらはEPラストらしい成型。
プレーしてみるとヒールには微妙な抜け感があり、フォアはクッションと相まって微妙な横ブレが起きます。
どちらも許容範囲ですが、前作のピタリと一体感あるフィットに比べるとやや見劣りします。
(この辺りはEPとグローバルの差なので仕方のないのかもしれませんが)
足入れは前作より格段に楽になっているので、この点を重視される方にはスコア以上に感じるかもしれません。
※※※サイズ選びに関して※※※
今回は普段のマイサイズ、グローバルラストの"27.5cm"でなくEPラストの"27.5cm"を購入しました。
普段のソックス2枚で幅と高さは問題なくフィット。
(ストラップはたまに剥がれますが許容範囲です)
「長さ」に関しては、EPにも関わらず普段履いているグローバルの27.5cmよりも短い仕様。
このままのプレーを続けると足指が死ぬので普段2枚のうち外側に履いている「エリートソックス1枚」に変更。
つま先にほんの少し捨て寸が出来ますが、今作はこれがジャストの模様です。
もしくはハーフサイズ上げて(EP28.0cmで)ソックス2枚でも良さそうです。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
今作はEPラストへのチャレンジでしたが、結果としてスコア以上に満足しました。
後傾クッションにも、フォアのブレや沈みにも「スーパーフィートのグリーン」でかなり改善できます。
スーパーフィート交換後の上昇幅は、他のモデルに比べて大きめに感じます。
試合用としては少し及びませんが、練習用としてなら、コスパ含めてかなりバランスの良いモデルかと。
最後に今作"Nike Kyrie 6"の「グローバルラスト」のお話し。
今年2月には縁あってシカゴで行われたNBAオールスターゲームに取材スタッフとして行ける事になり、その際に現地ナイキストアでグローバルラストも試着もできました。
足入れしてまずチェックするのは何を置いてもフォアの感覚。
なんと前作"Kyrie 5"と同じ乗り心地で、これはもしや…と期待が膨らみつつ、シューレースを締めて立ち上がってみると…???
めちゃくちゃ後傾。。そしてヒールの成型は緩い。。。
フォアの沈みがなくなった分、そのまま薄いヒールとの高低差はかなりのもので、スーパーフィートのグリーン単体でもカバーしきれなそうな感覚。
ヒールを底上げするなにかしら追加のパッドが要るかと。
ちなみにフォアのアッパー成型はEPラストよりしっかり狭くなっており、心の中で「そっちじゃねぇ。。」とつぶやきました。
このグローバルを買っても調整用にインソールの追加購入は必須で、それならそのまま高機能の前作"Nike Kyrie 5"のグローバルを買った方が良いと思います。。。
https://asterkicks.com/performance-review/4627.html
https://asterkicks.com/performance-review/4122.html
https://asterkicks.com/performance-review/2529.html
https://asterkicks.com/performance-review/1583.html
https://asterkicks.com/performance-review/403.html
https://asterkicks.com/performance-review/4174.html
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 9/10