Adidas Harden Vol.2 Performance Review

11月 11, 2020
3479
0
  • テストカラー:White/Blue(AQ0026)
  • 主な機能:Full-length Boost, Fibonacci-inpired Traction Pattern, TPU Infinity-shaped Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:James Harden, Lonzo Ball, Kelly Oubre Jr
  • 価格:¥21,600(国内)・$140(海外)

Introduction

今回はジェームズ・ハーデンの2ndシグネチャー"Harden Vol.2のパフォーマンス・レビューです。

前作はブースト自体を薄くすることでハイパフォーマンスに繋げていました。

今作は一転してブーストはかなり厚い仕様。

この変更の是非はいかに??

早速細部を見ていきたいと思います。

Twitter上では「もうブーストは履かない」と宣言しましたが、これは2018年中の執筆なのでご容赦をm(__)m

 

⇒他のHardenモデルのレビューはこちら

⇒ASTERKICKSのプロフィールはこちら

⇒各スコア項目についてはこちら

⇒Youtubeチャンネルはこちら

⇒Twitterアカウントはこちら

⇒Instagramアカウントはこちら

https://twitter.com/ASTERKICKS

TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

前作同様のコンセプトで、「フィナボッチ・パターン」または「データ・ドリヴン・パターン」と呼ばれるアウトソール。

ソリッドラバーはソフトめで粘性も高め。

接地面積は前作より更に広くなり、ホコリの影響も最小限。

止まりたい所で止まれ、文句なし。

カラーによってはホコリに弱いとの噂もありますが、このカラーは大丈夫でした。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

 

クッショニングも変わらず「フルレングス・ブースト」のミッドソールが採用。

小指部分がTPUでケージされているポイントも同様。

ブースト自体はかなり厚く、且つ幅広に導入されています。

密度が高いミッチリした感触で、厚さの割り浮き沈みが少ない。

バッシュに沈みは要らないと思っている身としては嬉しい仕様。

ほぼ沈まずですが、吸収性は満足できるレベルかと。


フォアの屈曲からの復元スピードは前作より速くなっていて、加速感も増しています。

ただしやはり「平面限定」。。。

ジャンプ時の全体重を乗せたステップではブーストに足先が沈む感覚があり、反発はあまり返って来ません。

シューズの外枠部分の剛性はあるものの、足裏の底が抜ける感覚でチグハグな印象

最近はブーストに限らず、こういう仕様のバッシュが多い気が…。

前作と比較して、跳びやすさは僅かに下降。

トータルでは優秀なクッショニングですが「ブーストなり」と言ったところ。

 

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ブーストは厚いですが、ミッチリした硬めの質感で、ポリウレタン製インソールも極薄。

ソール形状もほぼフラットで、面積もかなり大きめ。

ジャンプなどの強いステップ、それからたまに横の動きでフォアのクッションがブレる事がありますが、スコアへの影響は少なめ。

トラクションも信頼が置けるので、接地感はなかなかに鋭敏です。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「フルレングス・インナーブーティー」のフォアを「メッシュ」が、ヒール周りを「シンセティックレザー・パネル」が包むセットアップ。

前作は履くプレイヤーをけっこう選んだフィット感でしたが、今作では改善が見られました。

インナーブーティーはフォアがメッシュで、履き口周りがネオプレンに似た伸縮性ある素材。

足入れした瞬間から、この伸縮素材が足甲を下方向へ強力に押さえてくれます。

厚いクッションが不安定にならないよう、出来るだけアッパーの高さを抑えたものと思われます。

甲高のプレイヤーは少し圧迫感を覚えるかも…。


細いシューレースに対してタンが薄いですが、シューレースはそこまで締めなくても十分フィットしてくれるため、あまり問題にはならないでしょう。

ちなみにシューレースは前作よりマシになりましたが、それでも解けやすい部類なので二度結びか別紐に交換が良さそうです。


前作で緩かったヒールカウンターはまだ若干広いですが、違和感はかなり減りました。

2作目でもこの広さと言う事は、ハーデン本人のカカト幅が広めっぽいですね。

ヒールカウンターは別にして、この厚いブーストに合わせるという意味ではかなり考えられたアッパーかと。

※サイズ選びについて※

「ハーフサイズダウン」「27.0cm」を購入。

正直失敗しました。長さ的にはちょうどでも高さが結構キツい。。。。

使用するうちにクッションが多少ヘタって中の空間は広がりましたが、それでも窮屈。

備え付けのインソールも極薄なので、交換のしようもなく。。。

ソックスで調節は出来ますが、特に甲が低い方でなければ、ナイキのグローバルラストと同サイズが良いでしょう。

アーチサポートに関しては前作同様低めです。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

ソールの安定性・捻れ剛性は申し分無く、大きなブレを生むパーツもありません。

気になるとしたらシューレースの当たりくらいでしょうか。

サポート性は期待して良いかと。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

前作よりヒール周りのフィットが改善しているため、左右方向の重心移動も比例して向上。

長時間の練習では少し重さを感じたり、ブーストの厚みを余計に感じるシチュエーションがありましたが、トータルするとプラスが勝っています。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前作に比べて、ポンポンと跳ねる感覚が増し、次のステップへの移行はクイックに。

ブーストのジャンプのし難さは相変わらずなので、マイナス1ポイント。

平面のみの重心移動は非常にスムーズ且つアグレッシブです。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

タンやヒールの厚めのパディングはしっかり吸湿してくれるものの、速乾性がイマイチ

この辺りは前作と同様で少し残念。。。

劣化や臭いの元になるので、使用後はしっかり陰干しや乾燥剤を入れてケアする必要があるでしょう。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

最近Twitterを見ていて、シューレースホールやループを壊してしまう方が多いように思います。

今作も最下段のループは一度壊れたら、修復は面倒な作りなので締める際は慎重に。

また速乾性が怪しいので、使用後のケアをしないと素材の劣化が早まる可能性がありますのでご注意を。

それ以外は気になる箇所は無く、基本長く履けるモデルかと思います。

 

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約461g(27.0cm・片足)

今回はハーフサイズダウンの27.0cmを使用。

ブーストの量もソールの面積も大きく、重量もそれなり。

重いバッシュには慣れている身としては珍しく、練習終盤で何度か重さを感じました。

特に横方向の動きで足がコートから離れてくれない感覚が。。。

これがブーストの特性故なのか、重さ故なのかはっきりしませんが、重量にこだわるプレイヤーは要試着かもしれません。

Final Conclusion

初めは厚いブーストをかなり不安に思っていましたが、蓋を開けてみたらなかなかのハイパフォーマー。

初代とは違ったアプローチでブーストを上手く活かしています。

ブーストの感触が好きな方には強くオススメできる1足です。


世間では次作の"Harden Vol.3"が出ていて、どちらが良いかと質問を既にけっこう頂いています。

Twitterではお伝えしたとおり、ブーストモデルはやはり合わないので今後は購入しない予定です。

"T-Mac Millennium"は例外。ファン心理は別物なのです。。。


なので"Harden Vol.3"は試着だけですが、ここで軽く感想を。

ブーストの厚さは初代と今作のちょうど間くらいで、カカトの掴みの弱さも確かににある。

トラクションは良さそうで、サイズ感は長いのでナイキのグローバルラストのサイズからハーフサイズダウンが良さそう。

…とほぼほぼ前評判どおりの履き心地でした。


個人的な好みとしては「3より今作、今作より初代

アッパーの感覚だけでしたら今作がベストかと。

ただ機能の優先度として、ソールやクッションの方が上なのでこの結果に。


ともあれ各モデルとも良モデルには違いなく、気になる方はトライする価値アリです。

シリーズを通してサイズ感に癖があるので、事前の試着・もしくはサイズ交換可能なショップでの購入をオススメします。

⇒他のHardenモデルのレビューはこちら

⇒ASTERKICKSのプロフィールはこちら

⇒各スコア項目についてはこちら

⇒Youtubeチャンネルはこちら

⇒Twitterアカウントはこちら

⇒Instagramアカウントはこちら

https://asterkicks.com/performance-review/3688.html

https://twitter.com/ASTERKICKS

  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B+ 82 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS