Jordan True Flight (2016) Performance Review

- テストカラー:Black/Concord(342964-021)
- 主な機能:Full-length Air Unit, Polyurethane Midsole, Full-length Inner Bootie, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Joe Johnson, Richard Hamilton
- 価格:¥-(国内)・$140(海外)
Introduction
今回は"Jordan True Flight(ジョーダン・トゥルーフライト)"のパフォーマンス・レビューです。
"Air Jordan VII(7) Retro"を現代仕様にアップグレードしたモデルで、"Air Jordan 7.0"と呼んでも良いかもしれません。
先にレビューした様に"Air Jordan VII(7) Retro"はかなりのハイパフォーマー。
…だったのですが2012年復刻を最後にパフォーマンスは別物に。。。
今作はその代役、もしくは上位互換に成り得ると思い、履きたいと思いつつもカラーリングに恵まれず、長年スルーし続けてきました。
2016年になってようやく好みのコンコルド系のカラーリングが発売され、ようやく購入。
エアジョーダンのアップグレードシリーズでは"Air Jordan 8.0"が大当たりだったので、今作への期待値は高め。
どうなりますか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
元のモデルとなる"Air Jordan VII(7) Retro"から一番変更が加えられたのがアウトソール。
全面「ドット・パターン」からほぼ全面「ヘリンボーン・パターン」へ。
元モデルのエッセンスである「ドット・パターン」も気持ち程度に残されています。
ソリッドラバーの質感は硬めのままながら、粘性はアップ
プレーしてみるとなかなかアグレッシブにグリップしてくれ、適度な加速感があります。
ホコリにも比較的強くなっていて、優秀な部類のトラクションです。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ポリウレタン・ミッドソール」の上部に 「フルレングス・エア」を埋め込んだセットアップ。
ここまでは"Air Jordan VII(7) Retro"と同様。
インソールだけ「ポリウレタン製」から硬めの「フォーム製」に変更されています。
このフォームは"Air Jordan XI(11) Retro"のインソールにも使われていました。
硬めで若干厚みもあるため、エアの感触はほとんど伝わりません。
ただミッドソールには適度な硬度と弾力性があるので、感触は無くても衝撃自体は十分に吸収してくれます。
ソール全体の剛性は"Air Jordan VII(7) Retro"よりも強くなっています。
なので反発性アップも期待できるかと思いきや…つま先内部のミッドソールが極薄。。。
エアがなくなる部分、ちょうど足指の下辺りにガクッと大きな段差があります。
外見ではフォアの反りは少ない形状ですが、実際のパフォーマンスは反った形状のモデルと同じで上手く体重が乗りません。
ココに体重が乗らないとナチュラルな加速が難しく、普段より余計にコートを押さなければなりません。
ジャンプも普段より下がる印象です。
ヒールメインで走るプレイヤーは問題ないと思いますが、フォアメインだと物足りなく感じる反発性。
何故この部分のミッドソールを削ったのか…軽量化が目的だとしても代償の方が遥かに大きく感じます。
まあ削ったとしても平均以上の反発性はある訳ですが…非常にもったいない仕様です。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションは比較的厚めながら、コート感覚の伝達はなかなかダイレクト。
"Air Jordan VII(7) Retro"では大きなマイナス要因となったトラクションも今作では改善されています。
フォアのミッドソール削除部分が変な乗り心地ですが、それ以外は快適で鋭敏な接地感があります。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
クッションは比較的厚めながら、コート感覚の伝達はなかなかダイレクト。
"Air Jordan VII(7) Retro"では大きなマイナス要因となったトラクションも今作では改善されています。
フォアのミッドソール削除部分が変な乗り心地ですが、それ以外は快適で鋭敏な接地感があります。
Fit/Lockdown 9/10
"Air Jordan VII(7) Retro"と同じく「フルレングス・インナーブーツ」を「ヌバック・レザー」のアッパーが包むセットアップ。
変更点としてはアッパー部分に内蔵されていたヒールカウンターが、インナーブーツ内部へ移動。
これにより履き口がヒールカウンターに縫い付けられた状態になり、近年のワンピースアッパーに近い構造に。
少しだけ足入れがし難くなっていますが、その分履き口がカカトをしっかりロック。
"Air Jordan VII(7) Retro"で物足りなかった部分が改善されています。
ヒールカウンターの成型は悪くありませんが、もう少しパディングを入れた方がベターだったかと。
カカトが細めプレイヤーは抜け感があるかもしれませんし、カカトに幅のあるプレイヤーだとカウンターの当たりが気になるかもしれません。
とは言っても違和感はそこまでではなく、トータルのフィット・ロックダウンはかなり快適です。
※サイズ選びについて※
ナイキのグローバルラストで普段履いているサイズと同じで良いでしょう。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
くるぶし部分の通気窓は"Air Jordan VII(7) Retro"より少し大きくなっています。
それでもメインの通気はタン部分からで、トータルでもスコアを上げるほど変化は感じす、平均レベルの通気性かと思います。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
元の"Air Jordan VII(7) Retro"の耐久性が素晴らしかったので、期待を込めてプラス1ポイント。
(↑※耐久性が高いのは2012年復刻、もしくは2008年以前の復刻に限ります。)
実際に履いた感じでも長く履けそうな感覚。
やはり「トゥーボックス」は弱点になりそうですが、温度・湿度管理に気を付ければ問題ないかなと思います。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約447g(27.5cm・片足)
元の"Air Jordan VII(7) Retro"より微増。
やはりアッパーの素材がヌバックのままだと、"Air Jordan 8.0"のように大きな変化は望めないですね。
Final Conclusion
奇しくも"Air Jordan VII(7) Retro"と同スコア。
フォアのミッドソールに余計な細工さえ無ければ、文句なしにアップグレードバージョンと呼べたのですが…非常に残念。。。
それでも最近の、2013年以降の"Air Jordan VII(7) Retro"と比べたら圧倒的に今作の方がベター。
練習用ローテーションの一足としては申し分ありませんし、私ほどフォア部分に拘りが無ければ試合用としても履けるかもしれません。
⇒"Air Jordan VII(7) Retro"のパフォーマンス・レビューはこちら
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 8/10