Air Jordan IX(9) Retro(2016) Performance Review
- テストカラー:Lakers(302370-121)
- 主な機能:Forefoot Air Unit, Heel Air Unit, Polyurethane Midsole, Full-length Inner Bootie, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Michael Jordan, Nate Robinson, Rajon Rondo, Lamar Odom, Rudy Gay, Josh Smith, Gerald Green, DeMarre Carroll, DeMar Derozan, Kenyon Martin, Mitch Richmond, Monta Ellis, B.J. Armstrong
- 価格:¥20,520(国内)・$190(海外)
Introduction
今回は"Air Jordan IX(9) Retro(エアジョーダン 9 レトロ)"のパフォーマンス・レビューです。
オリジナルの発売は1993年で、マイケル・ジョーダンの最初の引退と重なりました。
シグ本人に履いてもらえないことから、「不遇」とか「悲運」のエアジョーダンなどと呼ばれていた記憶があります。
実際はウィザーズ時代にクールグレーを履いたり、映画スペースジャムの中でファーストカラーを履いたりしてましたが、それでもやはり数えるほどですかね。
ジョーダン本人は履かなくとも、現代のNBA選手には人気があるようで、復刻される度にNBA中継ではけっこう頻繁に見かける気がします。
個人的にはかなり久しぶりに履くエアジョーダン9。
最後に履いたのは2001年復刻で、今回使用したのは2016年復刻です。
当時の感覚はあまり覚えていないので、比較はせず純粋に今作のパフォーマンスをレビューしたいと思います。
TRACTION - 6 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
様々なエレメントを詰め込んだ非常にユニークなアウトソール・パターン。
そのエレメントの中に「世界スポーツ」と日本語があるのは日本人として少し嬉しく感じます。
このソールに使われているソリッドラバーは硬めで、触った感じでは粘性は高め。
プレーしてみると綺麗なコートでもスルスル…いやヌルヌル滑る。
ラバー表面にオイルの膜がある感覚です。
クリーナーで磨いても、体育館でしばらく使ってもパフォーマンスは変わらず。
"Air Jordan XXXI(31)"の様に大きく滑るのではなく、毎ステップ安定して少しずつ滑り続けます。。。
海外レビューでは効果的な解決策として、ストリートコートで何度か使用するというものがありました。
やはり表面がある程度削れるまで、このソールは本領を発揮してくれないみたいです。
白ソールなので汚れるのがもったいなくてAsterkicksでは試しませんが、勇気ある方はチャレンジしてみては。
ホコリもけっこう影響してくるソールパターンなので、スコアは厳しめにしました。
CUSHIONING - 6 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ポリウレタン・ミッドソール」に 「ヒール・エア」と「フォアフット・エア」を埋め込んだセットアップ。
ポリウレタンの密度は相当なもので、プレーしてもほとんどシワが入らないほど硬質なフォームです。
その硬いフォームに包まれたエアの感触はあまりなく、ヒールにかすかに感じる程度。
そして見た目に反してクッションはけっこう薄めです。
この硬いフォームを圧縮できるほど体重があれば良いかもしれませんが、ほとんどのプレイヤーには足当たりは厳しく感じるでしょう。
反発性も正直そこそこです。
フォアフットが若干反った形状になっていて、屈曲剛性は意外にソフト。
トラクションが弱い事も影響してきます。
薄めのセットアップなので反応は悪くありませんが、扱いやすくはなく。。。
残念ながら実戦的なクッションではないかと。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 6 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「シンセティック・レザー」と「パテント・レザー」を組み合わせたアッパーに、「フルレングス・インナーブーツ」が入ったセットアップ。
まず足入れして感じたのが「足型が他のエアジョーダンと違う」という事。
確かにモデルごとに多少の違いはあるものの、今作は何と言いますか「別物」。
通常よりもつま先が尖ったシルエットで、幅を合わせると長さが余ってしまいます。
またヒールカウンターの成型もすこし甘め。
ヒールからフォアに掛けて徐々に細くなるような形状です。
相当足の指が長くないとこれは合わないでしょう。
今作を好んで履いているNBA選手は特に足指が長いのかもしれませんね。
※サイズ選びについて※
一応普段と同じサイズを選んで、幅と高さはちょうどで、長さはやはり余ります。
ハーフサイズダウンを検討しても良いと思いますが、特に幅の部分が鬼門なので試着は必須でしょう。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 6 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 6 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
かなり残念なスコアになりました。
個人的に歴代で一番合わないエアジョーダンです。ダントツで。
あと10年くらい経ってインサイドしかできなくなったら合うようになる…かもしれません。
バッシュの話をしていると「エアジョーダンは硬くて、重い」と先入観を持っている方がけっこういます。
その先入観を体現している最たるモデルが今作な気がします。
※同じカテゴリに"Air Jordan VIII(8)"や"Air Jordan XII(12)"も入りますかね。
実際ジョーダンブランド全体を見ると、軽量でしなやかなモデルも多く存在するのですが。
日本ではなんだかネガティブな印象が先行していて、バッシュとしては食わず嫌いされている感が個人的に強いです。
まあとは言っても殊今作に関してはオフコートでの使用が無難でしょう。
もしバスケで履こうと考えている方がいたら、まずサイズ選びがかなり重要になるので気を付けてください。
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TRACTION - 6/10
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CUSHIONING - 6/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 6/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 6/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 6/10