Air Jordan IX(9) Retro(2016) Performance Review

3月 4, 2018
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  • テストカラー:Lakers(302370-121)
  • 主な機能:Forefoot Air Unit, Heel Air Unit, Polyurethane Midsole, Full-length Inner Bootie, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Michael Jordan, Nate Robinson, Rajon Rondo, Lamar Odom, Rudy Gay, Josh Smith, Gerald Green, DeMarre Carroll, DeMar Derozan, Kenyon Martin, Mitch Richmond, Monta Ellis, B.J. Armstrong
  • 価格:¥20,520(国内)・$190(海外)

Introduction

今回は"Air Jordan IX(9) Retro(エアジョーダン 9 レトロ)"のパフォーマンス・レビューです。

オリジナルの発売は1993年で、マイケル・ジョーダンの最初の引退と重なりました。

シグ本人に履いてもらえないことから、「不遇」とか「悲運」のエアジョーダンなどと呼ばれていた記憶があります。

実際はウィザーズ時代にクールグレーを履いたり、映画スペースジャムの中でファーストカラーを履いたりしてましたが、それでもやはり数えるほどですかね。

ジョーダン本人は履かなくとも、現代のNBA選手には人気があるようで、復刻される度にNBA中継ではけっこう頻繁に見かける気がします。

個人的にはかなり久しぶりに履くエアジョーダン9。

最後に履いたのは2001年復刻で、今回使用したのは2016年復刻です。

当時の感覚はあまり覚えていないので、比較はせず純粋に今作のパフォーマンスをレビューしたいと思います。

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⇒各スコア項目についてはこちら

TRACTION - 6 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

様々なエレメントを詰め込んだ非常にユニークなアウトソール・パターン。

そのエレメントの中に「世界スポーツ」と日本語があるのは日本人として少し嬉しく感じます。

このソールに使われているソリッドラバーは硬めで、触った感じでは粘性は高め。

 

プレーしてみると綺麗なコートでもスルスル…いやヌルヌル滑る。

ラバー表面にオイルの膜がある感覚です。

クリーナーで磨いても、体育館でしばらく使ってもパフォーマンスは変わらず。

"Air Jordan XXXI(31)"の様に大きく滑るのではなく、毎ステップ安定して少しずつ滑り続けます。。。

海外レビューでは効果的な解決策として、ストリートコートで何度か使用するというものがありました。

やはり表面がある程度削れるまで、このソールは本領を発揮してくれないみたいです。

白ソールなので汚れるのがもったいなくてAsterkicksでは試しませんが、勇気ある方はチャレンジしてみては。

ホコリもけっこう影響してくるソールパターンなので、スコアは厳しめにしました。

 

 

CUSHIONING - 6 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

「ポリウレタン・ミッドソール」「ヒール・エア」「フォアフット・エア」を埋め込んだセットアップ。

ポリウレタンの密度は相当なもので、プレーしてもほとんどシワが入らないほど硬質なフォームです。

その硬いフォームに包まれたエアの感触はあまりなく、ヒールにかすかに感じる程度。

そして見た目に反してクッションはけっこう薄めです。

この硬いフォームを圧縮できるほど体重があれば良いかもしれませんが、ほとんどのプレイヤーには足当たりは厳しく感じるでしょう。

 

反発性も正直そこそこです。

フォアフットが若干反った形状になっていて、屈曲剛性は意外にソフト。

トラクションが弱い事も影響してきます。

薄めのセットアップなので反応は悪くありませんが、扱いやすくはなく。。。

残念ながら実戦的なクッションではないかと。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

クッションは硬いものの、薄くコートには近いセットアップ。

シャンクは入っていませんが、捻れ剛性もしっかりしていて動きの中でも接地面積は大きいまま。

トラクションが弱いのだけは残念ですが、トータルでは優秀なレベルの接地感は確保されています。

FIT/LOCKDOWN - 6 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「シンセティック・レザー」「パテント・レザー」を組み合わせたアッパーに、「フルレングス・インナーブーツ」が入ったセットアップ。

まず足入れして感じたのが「足型が他のエアジョーダンと違う」という事。

確かにモデルごとに多少の違いはあるものの、今作は何と言いますか「別物」

通常よりもつま先が尖ったシルエットで、幅を合わせると長さが余ってしまいます。

またヒールカウンターの成型もすこし甘め。

ヒールからフォアに掛けて徐々に細くなるような形状です。

相当足の指が長くないとこれは合わないでしょう。

今作を好んで履いているNBA選手は特に足指が長いのかもしれませんね。

 

※サイズ選びについて※

一応普段と同じサイズを選んで、幅と高さはちょうどで、長さはやはり余ります。

ハーフサイズダウンを検討しても良いと思いますが、特に幅の部分が鬼門なので試着は必須でしょう。

SUPPORT - 7 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

サポート性の問題も、やはりフィット感の部分。

ヒールカウンターの成型が甘く、素材もソフトで足首の抑えは少し心許なく感じるかもしれません。

ソールの安定性と捻れ剛性はしっかりしているので、ギリギリ平均レベル程度かと。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

トラクションの弱さは感じるものの、サイジングは幅で合わせたので 左右方向の重心移動はまあまあスムーズ。

捻れ剛性もしっかりしています。

カカトに重心を置くプレイヤーは、ヒールカウンターの抑えが弱いのでスコア以下のパフォーマンスに感じるかもしれません。

フォアに重心を置くプレイヤーはスコア通りです。

HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではフィットの合わなさがガッツリ影響してきます。

フォアをメインに使って走るので、ワンステップワンステップシューズがブレるのを感じます。

ただでさえ重量級のバッシュが更に重たくなり、何とも。。。

普段バッシュの重さは全くと言って良い程気にしない質なのですが、今作はまたもや別枠

今作を履いた練習では毎回有り得ないくらい疲れます。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

サイドのパーフォーレーション・ホールは飾りです。

タン部分からのみ通気します。

フルレングス・インナーブーツにレザーなので通気性はあまり期待しない方が良いでしょう。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

今作唯一(?) のハイライトです。

撮影時点ではフォアフットの負荷が心配してましたが、実際は問題なし。

プレーして気になったのは予想以上にソフトなヒール周りへの負荷。

それでもレザーなので耐久性はかなり高めかと。

WEIGHT - 6 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約523g(27.5cm・片足)

Heel/Toe Transitionの項目でも少し触れましたが、フィットが緩いためこの重量以上に重く感じます。

ビッグマンか相当体重あるプレイヤーでないと扱いは難しいのではないでしょうか?

Final Conclusion

かなり残念なスコアになりました。

個人的に歴代で一番合わないエアジョーダンです。ダントツで。

あと10年くらい経ってインサイドしかできなくなったら合うようになる…かもしれません。

バッシュの話をしていると「エアジョーダンは硬くて、重い」と先入観を持っている方がけっこういます。

その先入観を体現している最たるモデルが今作な気がします。

※同じカテゴリに"Air Jordan VIII(8)""Air Jordan XII(12)"も入りますかね。

実際ジョーダンブランド全体を見ると、軽量でしなやかなモデルも多く存在するのですが。

日本ではなんだかネガティブな印象が先行していて、バッシュとしては食わず嫌いされている感が個人的に強いです。

 

まあとは言っても殊今作に関してはオフコートでの使用が無難でしょう。

もしバスケで履こうと考えている方がいたら、まずサイズ選びがかなり重要になるので気を付けてください。

  • TRACTION - 6/10
  • CUSHIONING - 6/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 6/10
  • SUPPORT - 7/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 6/10
TOTAL SCORE
C+ 68 / 100

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