Nike Zoom Penny VI(6) Performance Review

10月 24, 2016
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  • テストカラー:Black/Metallic Copper(749629-001)
  • 主な機能:Foamposite Technology, Dynamic Flywire, Forefoot Zoom Air Unit, Heel180 Visible Zoom Air Unit, Phylon Midsole, Foamposite External Heel Counter, TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate
  • 着用した主なプレイヤー:Penny Hardaway, Lance Thomas
  • 価格:¥-(国内)・$185(海外)

Introduction

nike-air-penny-6-orlando-workout-01今回はペニー・ハーダウェイの6thシグネチャー"Zoom Penny VI(6)"のパフォーマンス・レビューです。

ペニー本人の引退後も続いている珍しいシグネチャーライン。

ペニーシリーズ以外ではジョーダン、ピッペン、バークリーくらいでしょうか。


続いていると言っても発売年はかなりランダム。

前作"Zoom Penny V(5)"は2012年で、今作は2015年です。

今作の国内発売は無く、NBA選手の着用も少ないため、イマイチ存在感の薄いモデルですがその機能は果たして。

細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

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アウトソールは"Air Penny IV(4)"に似たパターン。

歴代のペニーモデルのソールパターンを組み合わせたようにも見えます。


ラバーは若干硬めですが、粘性はなかなか優秀。

スキール音はほとんど鳴りませんが、良くグリップします。

ホコリにも比較的強く、たまに拭く程度でパフォーマンスは維持されます。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

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ファイロン・ミッドソールに、ヒールとフォアフットの前後ズームエアのセットアップ。

ヒールズームは大容量のビジブルマックス。

このセットアップは"KD VII(7)"と同じですね。


ビジブルマックスのエア圧はちょうど良く、変形し過ぎる事もなくプニプニとした感触が心地良い。

ファイロンは若干硬めですが、フォアのズームエアの感触を妨げることはありません。

体重が軽いプレイヤーだとポジットに覆われたフォアのクッションが少し硬いと思うかもしれませんが、衝撃吸収性はほぼパーフェクトでしょう。


フォアフットはそのポジットのおかげで、屈曲部分の剛性は強め。

ミッドフットのシャンクプレートも大きく、反発性が逃げない構造。

インソールにアーチサポートは付いていますが、シューズに接着されておらずシューズ内で動いてしまいます。

表面生地も滑らか過ぎ、足裏もスルスルと滑ります。

せっかくソール周りが素晴らしい機能なのに、このインソールのおかげでほとんど活かせません。

別インソールに交換、もしくはこの純正インソールを接着剤で貼り付けは必須かと。

この対応後であれば、パーフェクトに近いスコアになるでしょう。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

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アウトソールはフォアが少し反って、シャンク部分が浮いている形状で、クッションも比較的厚め。

それでもソール自体の面積が大きく、シューズの剛性は強力で急な切り返しでも変形は起きず、常にしっかりしたコート感覚があります。

FIT/LOCKDOWN - 5 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

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スウェード生地にダイナミック・フライワイヤーとポジットを組み合わせたアッパー。

タン以外のアッパーは薄く、スウェードはしなやかで、ポジットも硬すぎず足当たりはナチュラル。

アキレスパッドのみでインナーブーツもないシンプルな構造ですがフィットは悪くありません。


大きくスコアを下げた要因はやはり滑るインソール。

インソールを交換するか貼り付ければ"8/10"くらいのスコアになったでしょう。

 

サイズに関しては、全体的にゆとりがあるため、通常サイズからハーフサイズダウンがオススメです。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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アウトソールは少し反った形状ですが、面積が大きく安定性は申し分なし。

大きなシャンクプレートのおかげで捻れも大丈夫です。

ヒールのビジブルズームも過度な変形は起きません。

インソールが滑る分、マイナスですがトータルのサポート性は高めです。

LATERAL TRANSITION - 6 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

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大きなシャンクとサイドのポジットによりシューズの変形・ブレは抑えられ、左右方向へ強い構造。

トラクションも良いのでインソールが滑らなければスコアは"8/10"にはなったでしょう。

HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

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前後方向の重心移動では、特に急ストップ時にインソールが滑ります。

左右方向より影響は若干少なめですが、プレーには大きく影響します。

インソールが滑らなければ、こちらもスコアは"8/10"にはなったかと。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

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スウェード部分は厚くありませんが、メッシュ素材が裏地に貼ってありほとんど通気しません。

タンのメッシュ部分が若干通気します。

90年代のバッシュのように通気性はほとんど考慮されていない構造です。

DURABILITY - 6 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

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ほとんど変形しない構造は耐久性にはプラス。

気になるのは、スウェードレザーとポジットの剛性差

実際にプレーしてみるとポジットが予想よりソフトなので、剛性差は少し抑えられています。

それでも平均にギリギリ届かないレベルかと。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

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約448g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

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インソールの問題を解決すればトータルスコアは80点以上にはなるでしょう。

解決後であればそれなりのパフォーマンスが期待できますが、スウェード+ポジットの耐久性は不安要素として残ります。

たくさんバッシュを持っていて、そのローテーションの1足としてならアリかもしれません。

本人の引退後も続いて来たこのペニーシリーズ、売上不振から今作で打ち切りかも、と噂されています。

やはり本人引退後のシグネチャーは売り方が難しいのでしょう。

本人が履いてプレーする訳ではないので、付加価値を余所から探さないといけませんから。


前作の"Zoom Penny V(5)"は純粋にパフォーマンスが良く、オンコートモデルとして売れた感じがあります。

今作に関しては中途半端にオフコート用に寄せたため、インパクトが薄くなってしまった印象。

オフコート用のペニーモデルなら"Air Foamposite One"が絶大な人気を誇り、常に新色が発売されていますからね。

定価も高めでは売れないのも仕方ないかなあ、と思います。

ともあれ1つのシリーズが終わるのは少し寂しいですね…。

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 5/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 6/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 6/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
B- 73 / 100

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