Air Jordan II(2) Retro Hi(2015) Performance Review
- テストカラー:Black/Varsity Red(834275-001)
- 主な機能:Full-length Air Sole Unit, Polyurethane Midsole, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Michael Jordan, John Wall, Joe Johnson, Ray Allen, Rudy Gay, DeMarcus Cousins, Monta Ellis, Carmelo Anthony, Gibert Arenas, P.J. Tucker, Nick Young
- 価格:¥21600(国内)・$190(海外)
Introduction
今回はMichael Jordan (マイケル・ジョーダン)の2ndシグネチャー"Air Jordan 2 Retro Hi"のパフォーマンス・レビューです。
使用したのはリマスター後の2015年に復刻されたカラー。
オリジナルの発売は1986-87シーズンで、マイケル・ジョーダンがダンクコンテスト初優勝時に着用していたモデルです。
最近ではアディダスとの契約終了が決まったジョン・ウォールが好んで履いていたのが印象的でした。
果たしてその機能はどうなのか?
早速細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
母指球部分の「ピボット・サークル」と気持ち程度の「グリッド」で構成されたソールパターン。
"NIKE"と刻印された部分は浅く繰り抜かれていて接地しません。
一見するとあまりグリップしなさそうなソールです。
プレーしてみると、ソリッドラバーの粘着性は凄まじくコートを噛むように強力にグリップしてくれます。
ホコリの多いコートではホコリを吸着するものの不思議と滑ることはありません。
前作"Air Jordan 1 Retro"に比べ、スキール音はあまり鳴らなくなりましたが、パフォーマンスは最高レベルのままです。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ポリウレタン・ミッドソール」と「フルレングス・エア」のセットアップ。
ポリウレタンやファイロンなどフォーム(樹脂)素材は、その配合を変えることで感触は大きく異なってきます。
今作のポリウレタンはモチモチと柔らかく、且つ弾力ある質感です。
バッシュに使われたポリウレタンとしては、おそらくもっとも柔らかい部類に入るでしょう。
※オリジナル当時はこの質感を出すための配合が加水分解しやすく問題になっていましたが、近年のレトロはその点は改善されています。
この弾力あるミッドソールは体重を掛けると適度に沈むため、足裏でしっかりとフルレングス・エアの感触を感じ取れます。
オーソライト製インソールも厚めながら、体重を掛けると沈むソフトな仕様。
衝撃吸収性を求める方には強くオススメできるクッションかと。
ソール全体の剛性はどちらかというとソフトで、けっこう変形します。
変形する分と沈む分で反発力は逃げてしまいますが、弾力あるポリウレタンのおかげで変形しても、そこからの復元が速い。
また予想に反して反発性もなかなかに優秀、快適です。
惜しいのはインソールにもシューズ自体にもアーチサポートが無い事。
動きの中でソールと足の一体感・連動があと一歩と言った印象です。
※「スーパーフィートのグリーン」との相性は非常に良く、アーチサポート不足をしっかり補ってくれ、クッション沈みの強さも減り反発性が増します。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」を手に入れる前のレビューなのでこちらは試していません。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 7 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
独りした「タン」をシンセティックレザーの「アッパー」が包むセットアップ。
タンは内部で底面とラバーバンドで繋がっています。
足首周りとタンにはしっかり厚めのパディングが入っています。
足入れ段階では気になりませんでしたが、プレーするとクッションが沈む分とアーチサポートが無い事から、特にフォアフット部分の高さに余裕が生まれます。
またヒールカウンターの成型は少しゆったりしていて、シューズ内部でカカトが浮くシチュエーションがしばしば。
ソックスを厚くして成型が高い分はある程度は対応できますが、沈みから生まれる分までは対応しきれない印象です。
レザーの質感は良く、しなやかで足当たりも良いので、この沈み過ぎるクッションは少し残念です。
※※※サイズ選びに関して※※※
ナイキのグローバルのマイサイズ"27.5cm"を購入。
新品に足入れした段階ではジャストかと思いましたがクッションが予想以上に沈むので、ハーフ(0.5cm)サイズダウンがオススメです。
※「スーパーフィートのグリーン」に交換する場合もハーフダウンが良いでしょう。
※ソックス交換はスコアに含めています。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 6 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
前作"Air Jordan 1 Retro"と比較するとトラクションは変わらず素晴らしい。
1985-86シーズン序盤に足を骨折したジョーダンの足を保護するため、クッションは大幅に増量された仕様。
少し吸収過剰なほどで、結果アッパーのブレを生んでしまっています。
また今作のプロトタイプ"Air Jordan 1.5 The Return"と比較するとミッドソールの見た目は全く同じ。
履き心地は全くの別物で、プロトタイプはカチカチに硬く、今作はフカフカに柔らかい。
「前作→プロトタイプ→今作」と履いてきましたが、個人的には前作AJ1がベストかと。
クッションが薄い点は如何ともし難いですが、アッパーのブレが最も少なく、この中では最も安定したパフォーマンスに感じました。
AJ1を試合用の勝負靴としてはオススメしませんが、ローテーションの1足としては悪くないでしょう。
今作はインソール交換の上なら練習のローテーションとしてアリかと。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 7/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 6/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 8/10