Adidas Crazy 1 (2013) (The Kobe 1) Performance Review

7月 26, 2016
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  • テストカラー:Playoffs(G99416)
  • 主な機能:TPU External Heel Counter, Torsion System, EVA Midsole, PU Insole
  • 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryant、James Harden, Nick Young, Iman Shumpert, Damian Lillard, Nicolas Batum, Robin Lopez, John Wall, Avery Bradley, Kenneth Faried
  • 価格:¥14,040(国内)・$125(海外)

Introduction

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今回のレビューはアディダス時代のコービーの5thシグネチャー

使用したのは2013年の復刻です。


オリジナルは“The Kobe 1”として1999年に発売され、コービーはそのシーズンNBA初優勝を成し遂げました。

1とタイトルにありますが、これ以前に“Elevation”・“KB8”・“KB8 II(2)”・“KB8 III(3)”と彼のシグネチャーは展開されています。

アッパーは近未来的なデザインで、ドイツの自動車メーカー“Audi(アウディ)”がモチーフ。

また、当時ナイキが始めたフォームポジットシリーズにアディダスが対抗しようとしたのも、このかなり攻めたデザインになった一因でした。


現在ナイキ契約下にあるコービーの名前は使えないので、アディダスはクレイジーシリーズとして彼のモデルを近年復刻しています。

復刻されてからNBA選手の着用も結構多いこのモデル、実際のパフォーマンスはどうなのか?

機能の細部を見ていきたいと思います。

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TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

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全面が前後方向に走る「ヘリンボーンパターン」のアウトソール。

オリジナルはもう少し波打ったウェーブ状のパターンで、パターンの幅も広めでしたので、今作はマイナーチェンジが見られます。

ラバーは全面が黒の「ソリッド」

その粘性(変形のしやすさ)は通常レベルで、粘着性はやや高め。

粘着性があることと、パターンが狭くなったことから若干ホコリの吸着は見られますが、たまに拭く程度でパフォーマンスは維持されます。

グリップの仕方は急ストップでなくナチュラル。

ソール形状がフラットに近く、接地面積は広めで安定性もあり、信頼の置けるトラクションです。

CUSHIONING - 10 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

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「EVAミッドソール」単体のシンプルなクッション・セットアップ。

インソールは薄めのポリウレタン製。

オリジナルではフォアフットに「アディプリーン・プラス」の刻印があり、内部にも入っていたはずですが、今復刻ではEVAのみに。

EVAは硬質で弾力はかなり強めの質感で、フォアフットの屈曲剛性はかなり強力。

シャンク兼ヒールカウンターである「トルション」も入っているので捻れ剛性も同様です。

クッション変更でグレードダウンしてるかと思いきや、かなりの加速感のある反発性。

硬めのクッションではありますが、厚みは十分にあり必要最低限の吸収性は確保されているかと。

純正のインソールは薄いポリウレタン製なので、追加の吸収性が欲しい場合はこれを交換すれば対応できるでしょう。

ズームエアが入っていないフォームベースのクッションでは歴代最高クラスに感じます。

「スーパーフィートのグリーン」と、トルションのしっかりしたアーチサポートとの相性は微妙。

"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」との相性は良いので交換推奨です。

※インソール交換はスコアに含めていません。

COURT FEEL - 10 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

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クッションは硬めで厚過ぎることもなく、フラットなソール形状も手伝って、動きの中でも接地感は安定しています。

FIT/LOCKDOWN - 10 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

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オリジナルはフォームポジットに対抗して発売した今作ですが、アッパーに特殊な素材は使われておらず、シンセティック・レザーもしくはメッシュに、パディングを入れた構造。

このプレイオフカラーの表面素材はメッシュです。

この全体に入ったパディングに加え、履き口の両サイドには分厚いレイヤーが追加設置。

タンも分厚く、とにかくパディング、パディング、パディング…。

このためシューレースをかなりタイトに締めてもストレスはまったく感じないでしょう。

※個人的にシューレースの当たりには鈍感なのでこの推測表現です。

全体の成型も良く、シューズを自分の足の延長に感じるほど、素晴らしいフィット感です。

唯一にして最大の問題は「サイジング」

「サイズを合わせるなんてバッシュ選びの基本じゃないか?」と言われそうですが、今作に関してはここが鬼門。

今レビューで使用した27.5cmだとほんの少し長さに余裕を感じ、ソックスを厚くして対応してました。

ある真夏の代々木公園(オールデイトーナメント予選)で履いたら、灼熱のコートに耐えられなかったようで、一試合履いだけでソールとアッパーが分離。

壊れたのは残念ですが、サイズダウンを試すチャンスだと同カラーの27.0cmを購入。しかし小さ過ぎて歩くのも厳しいほど。

その後、再び同カラーの27.5cmを買い直しするも、何故かこちらも小さい。足は入るものの長さがキツく、数分のプレーで硬質なシェルトーに足爪がやられました。

サイジング以外の機能はすべて同じで偽物という事もなさそう。個体差と言うに余りに大きな差で…未だに未解決の謎として残っています。

※※※サイズ選びに関して※※※

前述のとおりナイキのグローバルと同様の「27.5cm」を購入。

怪しいところはありますが、このカラーは基本マイサイズで選んで良いかなと思います。

2019年発売のダースベイダ―(EH2460)マイサイズでジャストでした。

最近発売されたストームトゥルーパー(GY3810)は未トライですがハーフサイズ(0.5cm)ダウンで良いと聞きます。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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アウトソールはフラットで面積も大きく、安定性は申し分なし。

ヒールカウンター兼シャンクプレートのトルションのお陰で捻れ剛性は強く、ヒールの安定性も確保。

気になるとしたらサイズが合わず、シェルトーでつま先を痛める可能性くらいでしょう。

LATERAL TRANSITION - 10 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

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トラクション、剛性、フィットのすべてが素晴らしいため、左右方向のトランジションもスムーズ且つアグレッシブ。

バッシュに全体重を預けて、全力で動けます。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

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“Lateral Transition”同様の素晴らしい感覚。

容赦なく全力で動けます。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

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メインの通気口はタン部分ですが、厚めなので通気性は低め。

それ以外のパディングも厚いため、トータルの通気性も低めでしょう。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

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シューズは変形せず、EVAもそうそうヘタる事はありません。

シューズの接着に関しても、かなり丁寧に仕上げられています。

耐久性は最高レベルかと思いますが、接着が強過ぎるが故にミッドソールと境目のアッパー表面が裂ける可能性はあります。

自分以外にも数人同じ症状はありましたが、いずれも真夏のアウトドアコートで履いたり、かなり履きこんでからだったため耐久性の高さに疑いの余地は無いかと。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

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約406g(27.5cm・片足)

Final Conclusion

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今作を一言で表すと「隠れた名作」

リライトしている2022年現在ではだいぶ認知されてきている気がしますが、レビューを書いた2016年当時では隠れたと言うにふさわしい存在だったかと。

見た目があまりに特殊なので敬遠されがちですが、一度試して頂きたい一足です。


一点気を付けて欲しいのは「レビュースコアはレビューで使用したカラーのもの」と言う事。

どんなバッシュでもカラーごとに機能の違いは少なからず存在します。

ですが今作に関してはレビューで使用したプレイオフ(G99416)が断トツでハイパフォーマンス。

2021年までに発売されたカラーを複数試しましたが、いずれも85点前後の感覚でした。

最近発売されたストームトゥルーパー(GY3810)に関しては未トライなので、もしかしたらもしかするかも知れません。

ともあれどのカラーを選んでも良いバッシュの部類には入るので、繰り返しになりますが気になる方は是非トライを。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

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  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 10/10
  • COURT FEEL - 10/10
  • FIT/LOCKDOWN - 10/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 10/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
A 93 / 100

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