Jordan B.Fly Performance Review

7月 10, 2017
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  • テストカラー:Armory Navy/White-electrolime(881444-405)
  • 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit(Bottom Loaded), Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate, Flight Web System, Performance Woven Upper(Flyweave)
  • 着用した主なプレイヤー:Michael Kidd-Gilchrist, Frank Kaminsky, Tyler Ennis, David Nwaba
  • 価格:¥15,660(国内)・$110(海外)

Introduction

今回はジョーダンブランドのチームモデル"Jordan B.Fly(ジョーダン・ビーフライ)"のパフォーマンス・レビューです。

スペック・マテリアル・デザインのどれを取っても"Air Jordan XX9"テイクダウンモデルと呼ぶのが相応しい今作。

テイクダウンとは言っても、実物を手に取ってみると予想よりもしっかりした作り。

意外な高スコアが出るかもしれません。

早速細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

非常に細かい「ストライプ・パターン」のアウトソール。

ソール全体にコブのようなポッドが一様に配置され、体重を掛けると沈む仕組みになっています。

ポッドの沈みはあまり気にならないレベル。

ソリッドラバーの粘性は高く、前後方向ではホコリの影響も少なく、しっかりグリップします。

パターンの方向的に左右方向の動きではホコリの影響が大きくなります。

あと、スキール音が独特で「カシュカシュ」と擦るような音がします。

音が大きいわけではありませんが、バッシュっぽくなくプレーしていて少し煩く感じました。

まあそれは個人の好みなので別にしまして、トータルでは良く止まる部類のトラクションに入るでしょう。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

「ファイロン・ミッドソール」「フォアフット・ズームエア」を組み合わせたクッション・セットアップ。

ズームエアはミッドソール底面に埋め込んだ「ボトムロード」です。

ファイロンが非常にソフトなため、ボトムロードにも関わらずズームエアに乗っている感覚はしっかり。

インソールのクッション性も良く、アウトソールのポッドも適度に沈むので、衝撃吸収性はなかなかに快適です。

 

反発性に関しては良くて平均レベルくらい。

フォアフットの剛性は悪くありませんが、ミッドフットの剛性がイマイチ…。

これだけファイロンがソフトだと、もっと大きめのシャンクプレートを入れた方がベターだったかと。

 

トータルすると、あまりアグレッシブでなくコンフォート寄りのクッションです。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

クッションは適度な厚さで、接地面積も大きめ。

ファイロンはソフトですが、大きなブレも起きません。

アウトソールのポッドが沈む感覚と、コートを擦る音が気になりますが、トータルの接地感は悪くありません。

FIT/LOCKDOWN - 7 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

フライウィーブ(パフォーマンスウーブン)素材を表地に使い、裏地にメッシュ素材を合わせたアッパーセットアップ。

インナーブーツや、シューズ内のラバーバンドなどはありませんが、左右非対称になったシューレースのホールカットが特徴的です。

ヒールにはシンセティック・レザーが使われ、この部分は"Air Jordan XX9 Low"に良く似ています。

シューズの成型はフォアフットはタイトで足入れしただけで、かなりスナッグなフィット感。

一方ヒールには少し癖があります。

履き口にはメモリーフォームのパディングが入ってますが、ヒールカウンターの成型が甘く、動きの中ではカカトが浮いたり動いたりすることがしばしば。

ヒールのクッションがソフトなファイロンだけ、というのも影響している思われます。

 

フォアとヒールで感覚がかなり違うため、バッシュと足の一体感は正直イマイチ。

軽く動いているうちは良いですが、フルスピードでプレーし始めると物足りなく感じます。

 

※サイズ選びについて※

フォアフットが若干狭く、低い設計。

フライウィーブの耐久性も考えると、幅広・甲高のプレイヤーはハーフサイズアップを検討しても良いでしょう。

 

SUPPORT - 6 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

フォアフットはソール全体がアウトリガーとして大きく張り出していて、素晴らしい安定性。

捻れ剛性は強力ではありませんが、サポートには十分なレベル。

やはり気になるのはヒール周り。

ヒールカウンターはゆとりがあり、ファイロンも沈み過ぎな印象です。

プレー中は気になりませんが、毎回練習が終わると足首が痛みました。

捻挫癖のあるプレイヤーは避けた方が良いでしょう。

サポーターを着用して履くにはちょうど良いつくりかもしれません。

LATERAL TRANSITION - 7 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向ではホコリの影響が大きくなるソールパターンです。

ヒールのファイロンの沈みはプレー中はほとんど気になりませんが、練習後に必ず足首が痛くなります。

プレー中はファイロンの沈みよりもアウトソールのポッドの沈みの方が少し気になります。

それでも軽く、動きやすい部類には入るかと思います。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではトラクションは良く効き、ホコリの影響も少なくなります。

反発性は高くないので加速感はありませんが、スムーズな重心移動が可能です。

BREATHABILITY - 8 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

フライウィーブの編み方は緻密で、裏地にメッシュがあるため、アッパー全体の通気性はそこそこ。

メインで通気するのはやはりタン部分。

平均よりやや上レベルの通気性と言った印象です。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

アッパーにはTPUコーティングされている箇所は無く、フライウィーブ単体のアッパー。

なのでフライトウェブの負荷が掛かる小指部分や、つま先へのダメージが来る可能性があります。

クッションはソフトですが、シューズ全体が大きく変形することはないため、一般的なバッシュレベルの耐久性は確保されているかと思います。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約335g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

フォアとヒールで、アッパーもクッションも履き心地が大きく異なり、少しチグハグなパフォーマンス。

"Air Jordan XX9"のテイクダウンモデルとは呼ばない方が良いかもしれません。

ローテーションの1足として悪くはありませんが、履くならレベルの高くない練習で履きたいですね。

定価は正直高いと思いますが、現在では7-8000円が相場です。

この価格ならバスケの頻度が週一回以下のライトユーザーの方でしたら候補に考えても良いモデルだと思います。

  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 7/10
  • SUPPORT - 6/10
  • LATERAL TRANSITION - 7/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 8/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
B 77 / 100

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