Nike Zoom Hyperquickness 2015 TB Performance Review
- テストカラー:Orange Glaze/Metallic Silver/Bright Citrus(749883-808)
- 主な機能:Brito Tongue Construction, Dynamic Flywire, Hyperfuse Technology, Forefoot Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Bradley Beal, Danny Green, Trevor Ariza, Shane Larkin, David Stockton, Ish Smith, Trey Burke, Caron Butler, O.J. Mayo, Dennis Schroder
- 価格:¥-(国内)・$110(海外)
Introduction
今回は"Zoom Hyperquickness 2015"のパフォーマンス・レビューです。
正規発売が無いため国内であまり認知されていないモデルですが、海外ではチームモデルとしてかなりの多色展開されています。
NBAではブラッドリー・ビールやダニー・グリーンなどSGの着用が目立つ印象。
アッパーは少し独特で、"UA Curry 2.5"でも使われていたブリトー・タン構造を採用。
ソール周りのツーリングは"Zoom Hyperrev 2015"と全く同じです。
バッシュの機能にはソール周りの方が大きく影響してくるので、ハイパーレブ2015と比較しながら細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
"Zoom Hyperrev 2015"と同様に、ファイロンが部分的に接地するアウトソール。
ハイパーレブ2015に比べ、ソリッドラバーが若干ソフトになり、粘性も高くなってる印象。
ファイロン部分も問題なくグリップします。
ホコリにも強く、アグレッシブにピタッと止まります。
ただし、シューズ自体がしなやかなため、急なストップではミッドソールが変形することも。
その場合、接地面が限られるためマイナス1ポイントですが、それでもかなり優秀なレベルのトラクションです。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
"Zoom Hyperrev 2015"と見た目は全く同じ、ファイロンミッドソールにフォアとヒールの前後ズームエアのセットアップ。
ファイロンは密度が高めですが、特にフォアの足底部分は薄いため、しっかりズームエアの感触があります。
ヒールズームの感触はレブ同様感じませんが、その分ファイロンが仕事をします。
衝撃吸収は優秀なレベルです。
ハイパーレブ2015ではイマイチだった反発性。
今作ではアッパーの剛性が増したお陰で、シューズ全体の剛性もアップ。
ソールの変形からの復元が速く、コートからの反発エネルギーがしっかり足に還ってきます。
かなり快適な推進力・反発力が得られます。
最軽量の部類に入るバッシュとしては、申し分ない反発性でしょう。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
"Zoom Hyperrev 2015"ではフォアズームの主張が強く、シューズ内でつま先が上がりカカトが下がった状態になって違和感がありました。
今作に関しては、ほぼフラットで違和感はなし。
おそらくこれは、ソールのラバーがハイパーレブ2015に比べてソフトなため、コートを掴むように沈んでいるお陰かと。
急なムーブでは変形することもあるソールなのでマイナス1ポイント。
トータルでは優秀なレベルの接地感覚は確保されているでしょう。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーは"UA Curry 2.5"でも使われていた「ブリトー・タン構造」。
カリー2.5とは左右が異なり、今作は小指側のアッパーとタンが一体となっています。
この構造は足入れが簡単で、スポッと履けます。
履き口周りはネオプレン素材、フォア周りはメッシュ素材とフライワイヤーと、こちらは"Zoom Hyperrev 2015"と似た構成。
ハイパーレブ2015に比べるとメッシュの剛性は強くなっていますが、足当たりは良好。
ただ成型が細長く、ピタッと足にフィットする感覚までは、あと一歩と言った印象。
ブリトー・タン構造はその成型次第で、履くプレイヤーが限定されてしまうのが難点かと。
特に甲の高さが合わない場合、シューレースを締めてもシューズ内にデッドスペースができてしまうでしょう。
また、今作に関しては、シューレースの最上段がカカトから遠く、キツめに締めてもカカトのロックダウンも甘め。
ですが幸いにもバッシュとしては最軽量の部類に入るので、多少フィットが甘くてもプレー中の違和感は少なめです。
トータルで平均以上のフィット感は確保されているでしょう。
※サイズ選びに関して※
今作は海外発売のみで、アジア人向けEPバージョンは発売されていません。
つくりは全体的に小さめ。
特に幅は狭く、甲は低いつくりです。
幅、高さに不安のあるプレイヤーはハーフサイズアップがオススメです。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
タイトなアッパーに対して、ソールの面積はかなり広く、安定感は申し分なし。
"Zoom Hyperrev 2015"に比べてフィットが甘くなっている分、今作はアッパーの強度が増していてプラスマイナスゼロ。
ミッドソールがたまに変形しますがケガをしそうな感覚はありません。
ヒールカウンターもアッパーの横ブレをしっかり抑えてくれます。
ローカットでここまで軽量なバッシュとしては十分なサポート性かと。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
ミッドソールの変形は、カカトを強く打ち付けて走るプレイヤーにとっては不快に感じられるかもしれません。
それ以外は非常にスムーズ、個人的にはパーフェクトなトランジションです。
"Zoom Hyperrev 2015"よりもアッパーに剛性があるおかげで、バッシュをより信頼して、より体重を預けてアグレッシブに走れます。
BREATHABILITY - 9 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
オーバーレイのメッシュは剛性があるため、素材自体の通気性はそこそこですが、大きな通気口を多数開ける事でしっかり補完。
履き口周りのネオプレン素材の吸湿速乾性もしっかりしています。
ほぼ全面が薄いマイクロメッシュの"Zoom Hyperrev 2015"にはさすがに敵いませんが、通気性はかなり優秀なレベルでしょう。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
履く前は同じツーリングの"Zoom Hyperrev 2015"と同程度のパフォーマンスを予想していました。
実際はアッパーの強度が増したお陰で反発性も強くなり、より体重あるプレイヤーや身体能力系あるプレイヤーに対応出来る仕様となっています。
それでいてバッシュ自体の重量は今作の方が軽くなっているから驚きです。
足型で履くプレイヤーを選ぶバッシュで、しかも国内に入って来ていないため、あまり強くオススメはしませんがパフォーマンスは本物。
海外ではかなりのアウトレット価格で販売されていますので、クーポンなどを併用すれば海外通販でも比較的安く手に入るでしょう。
興味がある方は狙ってみては。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 9/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10