Under Armour UA Curry 2.5 Performance Review
- テストカラー:Dub Nation(1274425-400)
- 主な機能:Charged Foam Midsole, Burrito Tongue Construction, External PU Shell, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter, TPU Shank Plate
- 着用した主なプレイヤー:Stephen Curry
- 価格:¥19,980(国内)・$135(海外)
Introduction
今回はステファン・カリーの数えで3rdシグネチャーとなる"UA Curry 2.5"のパフォーマンス・レビューです。
2015-16シーズンのウォリアーズは歴代最多のシーズン73勝を達成。
カリー個人も歴代最多の3ポイント成功402本に2年連続シーズンMVPと、カリーとウォリアーズのためにあるようなシーズンでした。
シーズン中のカリーは"UA Curry 2"を着用し、プレイオフから今作"UA Curry 2.5"にスイッチ。
そのプレイオフ1stラウンドでカリーはいきなり負傷。
負傷から復帰後は、試合によって今作と"UA Curry 2"を履き分けていました。
ただ、ファイナルのラスト3試合など大事な試合では"UA Curry 2"の方を選んで履いていた印象が強いです。
そのため履く前から若干ネガティブなイメージが付いてしまった今作。
個人的に好みのデザインなので高パフォーマンスを期待したいところ。
それでは細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
"UA Curry 2"と全く同じ、全方向型ヘリンボーン・パターンのアウトソール。
ラバーは変わらずソフトで素晴らしい粘性。
ミッドソールに使われているチャージド・フォームは密度が高くなり、かなり硬くなっています。
アッパーの剛性も同様に増していて、ソールがヒタッとコートを掴む感覚は薄まり、接地面積が限定されるシチュエーションでは大きく滑ることも。
硬くなったことでホコリにも弱くなった印象ですが、ラバーの質は良いので平均以上のトラクションは確保されているかと。
CUSHIONING - 6 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
"UA Curry 2"と同じチャージド・フォームのみのクッションセットアップ。
見た目は全く同じですが、フォームが硬くなっている事は前述のとおり。
シューズ内部にも変更があり、"UA Curry 2"のインソールは縫い付けられていましたが、今作では通常の接着タイプに戻っています。
インソール交換が可能になったのは個人的にも嬉しい仕様変更。
ミッドソールが硬くなったことで、ソール全体の剛性も強力になり、体重を掛けてもほとんど変形しません。
正直「超強力」と言っても良いレベルです。
プレーし始めは、この剛性あるクッションは快適でした。
30分を過ぎたくらいから徐々に足裏やふくらはぎに痛みが出てきて、1時間もするとプレーできないレベルに…。
履いていくうちに変わるかな?と思い、時間も回数も普段より多く掛けてテストしましたが、それでも痛みは変わらず。
毎回最初は普通にプレーできるので、どうやら純粋にシューズの剛性に足が負けてしまっているようです。
痛みが出るまでは衝撃吸収性も悪くなく、反発性に至ってはかなり優秀なレベル。
もしこの超強力な剛性に負けない脚力、もしくは体重があるプレイヤーなら、素晴らしいクッションを期待できるでしょう。
COURT FEEL - 6 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
通常、クッションが硬くなったことは接地感にプラスで、今作に関しても足に痛みが出るまでは快適。
痛みが出てからは、特にフォアフット部分が接地感どころではなくなり、早くバッシュを脱ぎたくなります。
"UA Curry 2"の刺繍されたインソールに比べ、今作の接着されたインソールの方が厚い事も若干のマイナスポイント。
1試合を通して着用することを考えるとこのスコアで妥当かと。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーは“Speed Form”(スピードフォーム)に代わり“Burrito Tongue Construction”(ブリトー・タン構造)が使われています。
これは親指側のアッパーとタンが一体となり、ブリトーのように左右から足を包む構造。
ナイキも"Zoom Hyperquickness 2015"のアッパーで、同様の構造を採用しています。
アッパーはインナーブーツに良く使われるネオプレン素材がベース。
その表面の線状コーティングにはPU素材(ポリウレタン)を使用。
ネオプレン素材の足当たりは非常に良く、ヒール周りにはたっぷりと多めのパディング。
"UA Curry 2"に比べてインソールの厚さも増しているため、足入れしただけでかなりのフィット感。
クッションの硬さから来る足裏の痛みで大幅なマイナスですが、アッパーだけならパーフェクトです。
※サイズ選びについて※
"UA Curry 2"に比べて全体に小さめのつくり。
通常のサイズからハーフサイズアップがオススメです。
ブリトー・タン構造では、特に高さの調節が難しいので甲高の場合は注意が必要です。
甲高のプレイヤーは試着してからの購入の方が無難でしょう。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
PU素材コーティングにより、"UA Curry 2"に比べてアッパーの強度は大幅に増しています。
またヒールカウンターはインターナル(内部)とエクスターナル(外付け)両方に設置。
ミッドソールの硬質化も手伝って、シューズの安定性・ヒール周りのサポートはかなり向上。
やはり足裏に痛みが来る事から大きくスコアは下がっていますが、それ以外のサポートに関しては文句なしでしょう。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 10 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
"UA Curry 2"で最大の弱点だった箇所がこの耐久性。
ソフトなチャージド・フォームはヘタるのが早く、十数回の使用でフニャフニャ変形するように…。
今作はその反省を踏まえてか、ミッドソールの剛性は「超強力」に。
その振り幅の大きさには戸惑うばかりですが、耐久性に関してはこれ以上ない好材料。
文句なしのパーフェクトです。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
カリー本人が今作を履き始めたのは2015-16プレイオフから。
そしていきなりの負傷。
負傷明けからは試合によって今作と"UA Curry 2"を履き分け、ファイナルの終盤では"UA Curry 2"ばかりを履いていました。
自分も試合で履くなら間違いなく後者を選びます。
痛みが出て、もう履きたくないと思ったバッシュは"Jordan CP3.VIII(8)"以来でしょうか。
CP3.VIIIは自分の足の使い方と、ソールの変形がまったく合っていないために、違和感と共に痛みが出ていました。
今作に関しては純粋にソールの硬さ・剛性に足が負けただけ。
体重さえあれば、かなり快適にプレーできるかと。
PGであるカリーモデルですが、体重あるフォワードからセンタープレイヤーにオススメです。
幸いな事に、このレビューを書いている間に国内発売が開始されましたので試着してからの購入が良いでしょう。
価格もなぜか"UA Curry 2"より下がっていますし。
※おまけですが画像はシーズン中のアメリカ国内のシグネチャーシューズ売上予想統計。
統計によると「コービー、KD、カイリーの3選手モデルの売上合計を、カリーモデル単独の売上が上回るだろう」との事。
2位のレブロンは肉薄しているように見えますが、価格は「レブロン200ドル」に対し「カリー130ドル」。
足数ベースではカリーの圧勝の様ですね。カリー人気恐るべし、です。
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 6/10
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COURT FEEL - 6/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 10/10
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WEIGHT - 9/10