Jordan Fly Wade 2 EV Performance Review

3月 22, 2016
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  • テストカラー:マイアミ・ナイツ
  • 主な機能:Full-length Lunarlon Midsole, Flywire Technology, Hyperfuse Technology, Inner Bootie(Forefoot Only), TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:ドウェイン・ウェイド
  • 価格:¥18900(国内)・$145(海外)

Introduction

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ドウェイン・ウェイドのジョーダンブランドでのシグネチャー2作目。

マイアミ・ヒートがサンダーとのファイナルを制してNBA優勝した2011-12シーズンに着用されたモデル。

今作はレギュラーシーズン用とプレイオフ用の2段展開。

今回レビューに使用したのはプレイオフ用のEVバージョン。

レギュラーシーズン用の通常版との違いはアッパーの素材。

通気性の良いメッシュメインのフューズ構成から、フライワイヤーと強度あるフューズ素材をメインに、より耐久性ある構成へ変更されています。

ソールやクッションは通常版と変わりありません。

それでは、機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

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細かくうねったアメーバの様な特殊なパターンが並んだアウトソール。

ラバー自体は硬めですが、粘性は素晴らしく、ピタッと止まります。

ラバー自体はホコリにも強いです。

マイナスポイントは反ったソール形状により、フォアの接地面積が限定されるシチュエーションがあること。

つま先のみで着地した時に限り、ズルッと大きく滑る事がしばしば。

個人的にはフラットなバッシュが好みでメインで履いているので、毎回この仕様は慣れません。

それでもラバーの素材とパターンは素晴らしくグリップする構成ですので、このスコアです。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

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クッションはフルレングス・ルナロン・ミッドソールのみのセットアップ。

知る限りドロップイン方式以外でフルレングス・ルナロンを使用しているバッシュはこのモデルと“Lunar Hypergamer”のみ。

それ以降のバッシュでは、まったく使われていない結構レアなクッショニングです。

しかもこのモデルのルナロンは、ヒール部分が一部剥き出しになっていますが、大部分はアッパーに包まれた“ダブルラスト”仕様。

ルナロンはシューズ内で逃げ場が無いため、変形し過ぎる事なく、適度に衝撃を吸収し、反発性・剛性も同時に確保。

ドロップイン方式のルナロンより、ダブルラストのルナロンは硬めの感触で、コートからのリアクション・反発が速く、個人的にはこちらの方がベター。

フォアが反った形状で、コートとの摩擦が減ってしまい、反発性も下がるためマイナス1ポイント。

トータルではかなり好みのクッショニングで、満点にかなり近い9点です。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

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フルレングス・ルナロンはダブルラスト仕様により、ほぼ変形しないため、かなりダイレクトな接地感があります。

ルナロン自体もそこまで厚くありません。

中足部は浮いた構造ですが、ガッチリしたTPU製シャンクプレートが足のアーチを支えてくれるため、変に沈むこともなく違和感なし。

フォアフットが反った形状で、トラクションにも影響してくることからスコアを下げましたが、接地感もなかなかです。

FIT/LOCKDOWN - 10 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

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アッパーは薄いフューズ素材とフライワイヤーの組み合わせ。

またフォアフット部分のみ、タンと繋がったインナーブーツ構造になっています。

アッパーの足当たりはナチュラルで、ピタッと足をホールド。

シャンクプレートのアーチサポートもちょうど良く、しっかり足にフィットします。

ヒールにはアキレスパッドがあり、カカトの抜け感もありません。

素晴らしいフィット感、満点です。

サイズに関しては、中の空間が縦にも横にも狭いため、通常のナイキサイズからハーフサイズアップがオススメです。

SUPPORT - 7 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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ヒールにはTPU製のインターナル・ヒールカウンターが入っています。

このカウンターは柔らかいタイプですが、しっかりと足首のブレを防止。

シャンクプレートのサポートは素晴らしく、捻れもアーチの落ち込みも全く起きません。
マイナスポイントはやはりフォアフットの反った形状。

相手と接触した後などオフバランスでの着地時に、つま先が空振りして怖いシチュエーションが。

個人的には以前大けがをした時と同じ感覚がありましたので大幅にスコアを下げました。

この反った形状のバッシュに慣れているプレイヤーでしたら、サポート性に不安を感じることはないでしょう。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

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フォアフットの反った形状による接地タイミングの違和感と、接地が甘いときの弱いトラクションが影響してきます。

それ以外はシューズの剛性、ルナロンの反応、アーチサポートはしっかりしていますので、平均以上の動きやすさは確保されています。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

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前後方向へはフォアフットの反りがあっても、かなりスムーズで快適に動けます。

ダブルラスト仕様で密閉されたルナロンは、本当に反応が良く重心移動を加速してくれる感覚があります。

フォアの形状がフラットに近ければ、文句なく満点でした。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

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このEVバージョンはアッパーのメッシュ素材の面積を減らし、耐久性あるフューズ素材を多く使っています。

通気するのはシューズ内側と外側に3つずつ設置された小さな通気口。

それからタンのメッシュ部分とトゥーボックスに通気口が確保されています。

フォアフット部分はフューズ素材の下にインナーブーツがありますが、素材はタンと同じメッシュが使われているため、思いのほか通気します。

トータルで平均レベルの通気性はあるように感じます。

DURABILITY - 10 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

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ルナロンは“ダブルラスト”の名の通り、ヘタり難い構造になっています。

加えて大きめのシャンクプレートがシューズの変形を防ぐので、アッパーへの負荷もかなり抑えられています。

耐久性に関しては隙のない頑強な作りかと。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

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約409g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

フォアの反り以外は素晴らしい作りです。

“ダブルラスト”のルナロンは、反応・反発性が高い分、その感触は硬めなので、好みは分かれると思います。

同じルナロンでも、“Kobe VIII”“Kobe IX”のドロップイン方式のソフトなルナロンを好む友人や知り合いは、口を揃えて“ダブルラスト”のクッションは硬くて苦手だと言います。

個人的には衝撃吸収性よりも、速い反応・高い反発性をバッシュには求めるので“ダブルラスト”の感触はしっくりきます。

クッション材がルナロンに限らず、ミッドソールがアッパーに覆われた“ダブルラスト”構造のクッションは硬めなので、バッシュ選びの1つの基準として結構使えます。


フライウェイドシリーズはこの2作目でまさかの終了。

ウェイド本人はジョーダンブランドを離れ、リーニンへ移籍してしまいました。

移籍理由はフライウェイドの売上不振とリーニンの破格の契約条件だそうです。

その条件とは契約金の他に、リーニン株の一部の保有権がウェイドに与えられ、その株の資産価値は契約時点で数十億円とも。

将来的にリーニンが企業としてさらに大きくなれば数百億円になる可能性もあるのだとか。

何とも夢のある話です。

まあ2016年現在では中国の景気失速と共に、リーニンも毎年赤字続きで将来は不透明なのが現実ですが。

その苦境のリーニンにあって、彼のシグネチャー“Way Of Wade”シリーズは、バスケットボール部門を支える稼ぎ頭になっています。

現時点で4作目まで続いていて、パフォーマンスも意外に安定しています。

このWOWシリーズも時間があればレビューを上げていく予定です。

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  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 10/10
  • SUPPORT - 7/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 10/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
B+ 85 / 100

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