Nike Zoom Crusader Performance Review

2月 22, 2016
4989
0
  • テストカラー:Black/Grey/Matallic Silver(630909-004)
  • 主な機能:Hyperfuse Technology, Flywire Technology, Forefoot Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit, Phylon Midsole, Neoprene Inner Bootie, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Paul George, James Harden, Andre Iguodala, JR Smith, Deron Williams, Paul Millsap
  • 価格:¥13,440(国内)・$110(海外)

Introduction

ローカットモデル“Zoom Crusader”のパフォーマンス・レビューです。

先のレビューで高評価だった“Zoom Run The One”と同じアウトソールが使われています。

どちらもNBA選手の着用率が高く、一般ユーザーの人気も高いモデルです。

2モデルを比較しながら、機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC05778

“Zoom Run The One”と全く同じ幾何学模様のアウトソール。

ラバーの感触も変わらず硬めで、粘性も比較的高め。

ほこりの多いコートでもたまに拭いてやる程度で、グリップ性能は維持されます。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

DSC05779ファイロン・ミッドソールに、フォアフットとヒールにズームエアのセットアップ。

“Zoom Run The One”では硬めだったファイロンがこのモデルでは柔らかく、そして厚くなっています。

ファイロンが柔らかくなったことにより、しっかりしたズームエアの感触があり、衝撃吸収性は優秀です。

 

一方、ファイロンが柔らかくなったことにより、フォアフットの剛性・復元力が弱くなり、反発性は“Zoom Run The One”より下がっています。

スコアで表すと、反発性はマイナス1ポイント・衝撃吸収性はプラス2ポイント。

フカフカとしたクッションは足当たりが良く、心地良いです。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC05781

“Zoom Run The One”ではアウトソールにダイレクトに乗っているような感覚でしたが、こちらはファイロンとズームエアに乗っている感覚。

物理的にもコートから遠くなり、接地感は下がっています。

それでも平均以上の接地感は維持されています。

FIT/LOCKDOWN - 6 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC05786ここが2モデルでもっとも異なる部分。

そして、このモデルの問題点です。

アッパーはネオプレン製インナーブーツを、フューズ素材で覆った2層構造。

このインナーブーツの履き口の成型が広過ぎ、シューレースを締めても十分に足をロックしてくれません。

またヒールカウンターの成型もゆったりしていて、こちらのフィット感も甘い。

シューレースを強く締めれば、プレー中に脱げてしまうような事はありませんが、シューズと足が一体になる“Zoom Run The One”とは程遠い感覚です。


サイズに関しては、クッションが厚いため、中の空間が全体的に狭めです。

通常のナイキサイズからハーフサイズUPがオススメです。

SUPPORT - 7 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

DSC05787ヒール周りには、やはり成型が緩めですがインターナル・ヒールカウンターが入っていて過度なブレは防止してくれます。

ソール自体には十分な安定性があり、捻れ防止のシャンクプレートも内蔵されているため、個人的にはサポート面では不安なく普通にプレーできました。

足首の抑えが甘いことに変わりはないので、足首や膝に不安を抱えているプレイヤーにはあまりオススメしません。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05789軽量性とグリップ性は素晴らしいため、基本的に動きやすいです。

シューレースホールの下2列にはさりげなくフライワイヤーが使われていて、つま先のブレを防いでくれています。

それでもフィット感の物足りない部分と、厚くなったクッションで接地からの反応速度の遅れが気になりましたので、マイナス2ポイントです。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

ズームエアは感じますが、フォアの剛性が弱くなっているためトランジションに変化なし。

やはり軽量性とグリップ性のおかげで重心移動は平均以上にスムーズです。

BREATHABILITY - 8 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DSC05792インナーブーツの全体は厚めの作り。

タンの部分は薄くしっかり通気します。

フューズ素材の裏には幾何学パターンの布地が貼ってあります。

耐久性の面ではプラスですが、通気性にはマイナスです。

それでもインナーブーツのネオプレン素材は吸湿速乾性がありますし、ローカットでフィットが緩めですので、トータルの通気性は平均以上かと思います。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

DSC05796どちらのモデルも、つま先の塗装・コーティングは衝撃で剥がれてきます。


またシューレースホールの下2列はフューズ素材に穴を開けただけなので、シューレースがすぐに毛羽立ち、痛んできます。

あまりにボロボロで見た目が良くないので、画像は市販のシューレースに付け替えて撮影しました。

“Zoom Run The One”でも毛羽立ちはありましたが、こちらの方がダメージが来るのが早かったです。


ファイロンが柔らかくなったことで、ズームエアへの負荷が軽くなっているように感じます。

コーティングや毛羽立ちはそこまでパフォーマンスに影響しないので、トータルの耐久性は“Zoom Run The One”より良いでしょう。

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC05797約368g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

“Zoom Crusader”“Zoom Run The One”

発売から時間が経っていますが、未だに友人や知り合いからどちらが良い??と良く質問されるこの2モデル。

ざっくり大別しますと、クッション性重視の“Zoom Crusader”フィット感・接地感重視の“Zoom Run The One”といったところでしょうか。

フィットの弱さは注意すべき点ですが、基本的にどちらも動きやすいバッシュです。

722a00a3e83268da8a03a240eb192c07

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 6/10
  • SUPPORT - 7/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 8/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
B 78 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS