Nike Air Zoom Flight The Glove Performance Review

1月 7, 2016
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  • テストカラー:Cool Grey(616772-002)
  • 主な機能:Heel Zoom Air Unit, Forefoot Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, Monkey Paw Technology, Zipper Shroud
  • 着用した主なプレイヤー:Gary Payton, Paul George, Draymond Green, Zach LaVine, Danny Green, DeMarre Carroll,
  • 価格:¥16200(国内)・$140(海外)

Introduction

今回のレビューは、往年のディフェンスの名手’Gary Payton’のシグネチャーモデル。

シューレースを覆う’Shroud(シュラウド)’と呼ばれるジッパー・カバーが目を引く1足。

復刻当時の2013-14シーズンはNBA選手の着用率も結構高かった記憶があります。

ファイナルでLebronのHeat相手に3ポイント成功数の記録を作ったSpursの’Danny Green’が一番印象的でしたね。

この記事を書いている2015-16シーズンでも彼は再びこのモデルを履いてプレーしていますし、相当気に入っているようです。

では、その機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC05242アウトソールは左右にラインが並んだブレード・パターン。

フォアフットは十字のグルーブ入り4分割されています。

ソリッドラバーは標準的な硬さで、粘性は高め。

何よりごつい見た目に反して、ソールは薄く、しなやかなため体重を掛けるとヒタッとコートに接地。

土踏まずは浮いた形状ですが、ソールは広めの設計で接地面積も多いので、とても良くグリップします。

フラットな形状もプラスです。

キュッと音はあまり鳴らず、グッと止まるタイプです。

ほこりにも比較的強く、あまり拭かなくてもパフォーマンスは維持されます。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

DSC05251ファイロン・ミッドソールの上面にズームエアをフォアフットとヒールに埋め込んだセットアップ。

ファイロンは若干柔らかめかと思います。

アウトソールと、底面のファイロンが薄いため、ズームエアをダイレクトに足に感じます。

ズームエアは感じますが、全体は薄いため衝撃吸収性は平均レベルです。

フォアフットのサイドを覆うシャーシー部分のミッドソールは、底面部分と異なり厚めのため、屈曲部分の剛性はしっかりしています。

加えてフォアフットのズームエアの位置が通常モデルより、つま先よりに配置されています。

この配置も、よりズームエアを感じやすい理由の一つでしょう。

個人的にフォアフットのズームエアは、通常モデルの母子球下より、このモデルのように足指下にある方がその機能を発揮できると思います。

剛性やズームエアの容量などまだ改善する余地はありますが、反発性は素晴らしく、ほぼ満点です。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC05249土踏まず部分以外はヒタッと接地するフラットなアウトソール。

クッションも薄いため、見た目のゴツいイメージに反して、かなりコートを近くに感じ、しっかりした接地感があります。

FIT/LOCKDOWN - 10 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC05250アッパーのインナー部分はメッシュ素材を縫い合わせてあります。

足首周りのパディングは非常に分厚く、しっかり足首を包みます。

'モンキー・ポー'と呼ばれる猿の手をイメージした独特の形状のTPU製ヒールカウンターがしっかりブレを抑え、激しい動きの中でもカカトの抜け感は全くなし。

伸縮性あるメッシュ素材の'シュラウド'は見た目ほど、フィット感の機能面の存在感はありませんが、足首周りのフィット感を少し高めてくれる感覚です。

それ以上にシューレースが解けないのが有難いです。

測ってみるとそこそこ重量あるバッシュですが、プレーしているときは全く重いと感じませんでした。

重さを感じなかったり、プレー中に履いているのを忘れるのは、良いバッシュには共通した特徴です。

このバッシュは正にそれが当てはまります。

サイズに関しては、Nikeの通常サイズで問題ないと思います。

SUPPORT - 10 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

DSC05248アウトソールの形状はフラットで、広めの設計のため安定性は十分。

足首周りのフィットは素晴らしく、特に'モンキー・ポー'は履き口の高さまで巻き上がっているため、サポート性も素晴らしいです。

LATERAL TRANSITION - 9 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05243見た目に反しソールはしなやか。

ソールがフラットな形状であることも左右方向への動きにはプラス材料。

ソールのグリップ性がもう少し高ければ、と感じたのでマイナス1ポイント。

それでも、強めの切り返しでも'モンキー・ポー'やシャンクプレートのおかげで足ブレはなく、とてもスムーズに動けます。

クリーンなコートであれば、満点に近いパフォーマンスを発揮するでしょう。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05245縦方向への動きは、通常スピードあれば非常にスムーズ。

アウトソールのブレード・パターンは左右方向に並んでいるため、しっかりコートを掴み重心移動を加速してくれます。

個人的にはフォアフットの屈曲部分の剛性がもっと強い方が、ファーストステップやジャンプ時の重心移動がしやすいため、少しスコアは下げました。

BREATHABILITY - 5 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DSC0524790年代のモデルの中でも特に通気性が悪いです。

これ以下の通気性は'Air Jordan 8'くらいでしょうか?

'シュラウド'を閉めると内部に空気の層ができるので熱が逃げません。

雪の降る様な寒いシーズンに着用すると暖かくて良いですね。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

DSC05241特に機能面にダメージが来る箇所は無さそうです。

それでもスコアを下げたのはジッパーカバーのマジックテープが原因です。

マジックテープの毛足が長いので'シュラウド'のメッシュに貼り付いて、一回でも結構毛羽立ってしまいます。

せっかくの復刻発売なので、マジックテープの毛足を短く修正してくれる事を期待していたのでちょっと残念です。

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC05246約452g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

完全に見た目で損をしている”タイプのバッシュですね。

凄く履きやすく、動きやすい。

NBAプレイヤーが好むのも納得です。

ゴツイ見た目と通気性を気にしなければ、試合で使えるレベルの“勝負靴”に成り得ます。

加えて、2015-16シーズンの今ならアウトレット価格で手に入るため、コストパフォーマンスは最高レベル。

コストパフォーマンスを評点に加えるならば、間違いなくベスト・パフォーマーの1つに入るモデルです。

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 10/10
  • SUPPORT - 10/10
  • LATERAL TRANSITION - 9/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 5/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B+ 84 / 100

PERFORMANCE RANKING

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