Air Jordan XVII(17) + Retro (2016) Performance Review

7月 26, 2017
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  • テストカラー:Bulls(832816-001)
  • 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit, Heel 180 Max Air Unit, Phylon Midsole, Carbon Fiber Shank Plate, TPU External Heel Counter, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Michael Jordan, Kobe Bryant, DeMer DeRozan, Rudy Gay, Caron Butler, John Wall
  • 価格:¥32,400(国内)・$250(海外)

Introduction

今回は"Air Jordan XVII + Retro(エアジョーダン17+レトロ)"のパフォーマンス・レビューです。

オリジナルの発売は2002年、マイケル・ジョーダンのウィザーズでの現役復帰と同時でした。

今回使用したのは2016年発売のレトロで「シュラウド」のない「+(プラス)バージョン」

「シュラウド」は正直無くてもパフォーマンスは変わらないどころか、着脱が難しく煩わしいくらいだったので個人的には「+バージョン」の方が好みです。

オリジナルの記憶は「シュラウド」が面倒だったこと以外覚えていないので、今回は比較無しで細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

ジョーダンの一番の趣味である「ゴルフコース・パターン」のアウトソール。

良く見るとカラーの付いた部分は前後方向の「ヘリンボーン・パターン」になっています。

新品の状態ではこのヘリンボーン部分が体重を掛けてもほとんど沈まず、とにかく滑りました。

この部分が2回目の着用の途中で馴染んで来て、適度に圧縮・沈むようになりました。

沈むと言っても非常にわずかですが、これが大きな違いを生みます。

ソリッドラバーは硬めながら、粘性はなかなか高め。

馴染んだ後は、綺麗なコートではアグレッシブにグリップします。

フラットなエッジ部分は若干ホコリに弱い仕様ですが、影響は限定的。

デザイン重視のアウトソールかと思いきや、パフォーマンスは実戦向きです。

CUSHIONING - 7 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

「ヒール180・マックスエア」「フォアフット・ズームエア」のセットアップ。

エアは確かに入っていますが、正直その感触は全くと言って良い程ありません。

ポリウレタン製のインソールも薄く、ほとんど効果は感じません。

カーボンファイバー製シャンクプレートの硬質な感触だけがあり、吸収性は期待しない方が良いでしょう。

 

このプレートはカカトから足指の付け根までをカバーする程巨大です。

カーボンファイバー製としては歴代バッシュの中で最大かもしれません。

このプレートのおかげで中足部の剛性は強力。

ですが、フォアの屈曲部分の変形からの復元速度はシャンクプレートの大きさからすると少し期待外れ。

"Air Jordan XIV(14) Retro" ほどではありませんが、アッパーのロックダウンが若干弱く、足がシューズ内でスライドする感覚も反発性にはマイナス要因。

平均よりやや上レベルの反発性かと。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

硬いクッションから来る足当たりの悪さはマイナス要因ですが、余計なブレなどが起きないことはプラス材料。

巨大なシャンクプレート越しでも、またアッパーのロックダウンの弱さから起こるシューズ内のスライドを加味しても、優秀なレベルの接地感は確保されているように感じます。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

アッパーはタンまでシンセティック・レザーが使われた、いかにもレトロモデルらしいセットアップ。

フォアフットのみ「ハーフレングス・インナーブーツ」が入っています。

このアッパーはクッション同様、初回はレザーがゴワゴワで、シューレースを締めても全くフィットせず、違和感だらけでした。

翌日履いてみると全く違う感覚で、フィット感は十分なレベルに馴染んでいました。

最近のバッシュには無い、履くたびにフィット感が良くなってくるオールドスクールなアッパーです。

 

ロックダウンも初期は微妙でしたが、レザーが馴染むたびに左右からの押さえも強くなってきて、プレーするには十分なレベルに。

ヒールカウンターは若干成型が甘く、ここは馴染んで来ない箇所なので残念ながらマイナス要因。

トータルのフィット・ロックダウンはまずまずのパフォーマンスです。

 

※サイズ選びについて※

僅かに小さめの作りで、サイズを変えるか微妙なラインです。

レザーが馴染んでくることを考えて通常サイズ、もしくはハーフサイズアップでインソールを厚いものに交換が良いかと思います。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

ある程度履き込んだ後ではサポート性もかなり優秀なレベルです。

全体に剛性あるつくりなので、ブレたり、不安定になることはありませんでした。

1点気になったのはソールのエッジがカチカチ過ぎて、特に夏場に汗のウェットスポットに乗ったときに大きく滑ることがありました。

また個人的には気にならない点ですが、シューレースの最上段は思ったよりも低めです。

なので、足首のカットの高さに拘るプレイヤーは注意した方が良いかもしれません。

LATERAL TRANSITION - 9 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向では巨大シャンクの剛性が活きて、かなり動きやすいです。

柔らかいバッシュが好みのプレイヤーには好まれない仕様かと思いますが。。。

個人的にこの硬さ・剛性は心地良く感じます。

トラクションも良く、フルレザーのアッパーもほとんどブレません。

動き出し・切り返しに加速感があり、スムーズな重心移動が可能です。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

フォアの剛性が思ったほどではなく、加速感は少しだけ物足りない印象。

また左右方向に比べると、前後方向では若干ロックダウンの甘さの影響を感じますが、基本的にスムーズです。

BREATHABILITY - 4 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

タンの細かいパーフォレーション・ホールから極わずかに通気しますが、アッパーの素材はすべてレザー。

通気性は期待しない方が良いでしょう。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

リマスター後の発売だけあって、レザーの質は非常に良くなり、接着やステッチも丁寧になっています。

通気性が低いので、使用後の管理には気を遣う必要がありますが、かなり長く履けるバッシュかと思います。

 

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約481g(27.5cm・片足)
※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

通気性がアレなので暑い今のシーズンにはあまり履きたくありませんが、涼しいシーズンはローテーションの一角として活躍してくれています。

レトロバッシュらしい全体重を安心して預けられる仕様で、ルックス・デザインも含め個人的にかなりお気に入りのエアジョーダンです。

もう少しクッションに弾力性があれば、試合用の勝負靴として使いたいくらい。

特に際立った機能があるわけではありませんが、自分の様に硬めのバッシュが好みの方にはオススメできます

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 7/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 9/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 4/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B 79 / 100

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