Nike Hypershift Performance Review
- テストカラー:Black/White-Anthracite(844369-020)
- 主な機能:Hyperfuse, Dynamic Flywire, Inner Bootie, Forefoot Zoom Air, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:John Wall, Isaiah Thomas, DeMarcus Cousins, Devin Booker, Nik Stauskas, Dario Saric, Zach LaVine, Clint Capela, Gerald Green
- 価格:¥13,500(国内)・$100(海外)
Introduction
今回は"Hypershift(ハイパーシフト)"のパフォーマンス・レビューです。
幅広ラストの「EPバージョン」と、通常ラストの「レギュラーバージョン」のどちらも国内発売があり、今回購入したのは「レギュラーバージョン」の方。
NBAではジョン・ウォールやアイザイア・トーマスなどガードを中心に着用が目立ちます。
見た目はかなりシンプルで動きやすそうな印象です。
早速細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
細長い四角形の粒状の突起が並んだアウトソール。
アウトソールは人間の足裏を模した形状で、セクションごとに絶妙な傾斜が付けられています。
ソリッドラバーも薄く、非常にしなやかで、体重を掛けると素足で立っているかのようなナチュラルなコート感覚。
フォア部分のアウトソールは巻き上がっていて、シャンクプレートも入っているため、シューズ全体の剛性は弱くなく、急ストップでも大きく変形しません。
私よりも体重のあるプレイヤーだと違ってくるかもしれませんが、75kgでは接地面積が限定されることなくしっかりグリップしてくれました。
唯一惜しいのはパターンが細かく浅いため、ホコリの多いコートでは頻繁に拭く必要がある事。
綺麗なコートであれば素晴らしくグリップします。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
見た目はドロップイン・ミッドソールが入っていそうなミニマル系のシルエット。
実際は通常のセットアップで、ファイロン・ミッドソールのフォアフット上面にズームエアが埋め込まれています。
ファイロンの密度は高めながらモッチリした弾力性があるため、ズームエアは良い意味で存在感がありません。
足型を模したアウトソールと合わさり、かなり気持ちの良いライディング。
気持ち良いですが、クッションの薄さとしては必要最低限レベル。
体重があるプレイヤーや、衝撃吸収性を期待するプレイヤーには向かない仕様かと。
シューズ全体の剛性は平均以上のレベルが確保されています。
薄いクッションを十分に感じられるプレイヤーなら、反発性も同じく快適に感じられるでしょう。
COURT FEEL - 10 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
ネオプレン素材のインナーブーツの表面にメッシュ素材を合わせた2層構造のワンピースアッパー。
履き口は狭めですが、ネオプレン素材には伸縮性があり、タンとヒールのタブを掴めば簡単に足入れ可能です。
全体的に薄いアッパーですが、足甲部分にはモッチリしたパディングが入っているため、シューレースの足当たりも気になりません。
ヒールカウンターの成型も良く、カカトの収まりも良好。
接地感に続き、フィット感も自分の足の延長に感じるレベルに快適です。
それでもマイナス2ポイントしたのは、ロックダウンの弱さ故。
伸縮性あるワンピースアッパーは足当たりの良さを提供してくれる代わりに、ロックダウンが犠牲になっています。
シューレースを限界までタイトに締めても、急なストップでは抑えが足りず、巻き上がったアウトソールにつま先がガンガンとぶつかります。
その対策なのか、シューレース最上段のフライワイヤーはヒールまで繋がっていますが、不十分な印象。
最初は「自分の体重がこのバッシュを履くには重すぎるのでは?」と思っていましたが周りの体重が軽いプレイヤーでも同じ現象が起きていました。
この解決策は「ジャストサイズで履かない事」かと。
友人のハーフサイズアップの28.0cmを試しに履かせてもらったら快適にプレー出来ました。
ともあれロックダウンには注意が必要なモデルです。
※サイズ選びについて※
今回使用したのは通常ラストの「レギュラーバージョン」です。
ソール自体の幅は若干広め。加えて前述の様にアッパーの伸縮性によりロックダウンが甘いです。
つま先にスペースをほとんど空けずにジャストサイズで着用されたい方は購入前の試着を強くオススメします。
普段からつま先に余裕を空けて着用されるプレイヤーは普段のサイズと同じで良いかもしれません。
SUPPORT - 6 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 9 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
良い部分は飛び抜けて良いのでトータルスコアは比較的高めになりました。
ただし、その良い部分を生かすために犠牲になっている部分も多く、バッシュのどの部分に拘りがあるかで実際に体感するパフォーマンスには大きな差が出るバッシュです。
全体としては体重が軽い、ガード系のプレイヤーに向けた仕様と言って良いでしょう。
体重に関わらず、ジャストサイズでは履かずに「つま先に少し余裕を持たせて履く」のは必須かと思います。
私もハーフサイズ上の28.0cmを友人に履かせてもらいましたが、練習用のローテーションの1足としては十分なパフォーマンスに感じました。
27.5cmは練習するたびに足の爪の内出血が増えるので、誰か別の方に譲りたいと思います。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 10/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 6/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 9/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10