Jordan Jumpman Team I(1) Performance Review

5月 11, 2016
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  • テストカラー:UNC(644938-107)
  • 主な機能:TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate, Phylon Midsole, Forefoot Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit
  • 着用した主なプレイヤー:Ray Allen, Kevin Garnett, Ron Harper, Toni Kukoc, Michael Finley, Lou Williams, Nick Young
  • 価格:¥19,440(国内)・$130(海外)

Introduction

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1996年にエアジョーダンのチームモデルとしてスタートしたジャンプマンチームシリーズ。

今回のレビューはその2ndモデル

今作は商品名に“I(1)”とありますが、“Jordan Jumpman Team Pro(ジョーダン・ジャンプマン・チーム・プロ)”がシリーズとしては1stモデル

エアジョーダンシリーズ以外で初めてジョーダンの名を冠したバッシュでした。


今作のオリジナルは1997年に発売され、ブルズ王朝のラストシーズンのロン・ハーパーやクーコッチの足元を支えました。

今回使用したのは2014年の復刻モデルです。


当時、“エアジョーダンよりチームシリーズの方が履き心地が良いのではないか?”との声も多く聞かれましたが、その機能は果たして…細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

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アウトソールのほとんどはヘリンボーン・パターン

エッジ部分は気持ち程度にグリッドが入った、ほぼフラット。

ラバーは硬めながら、粘性は高め。

キュッとスキール音が良く鳴るタイプのラバーです。

フォアフットが少し反っていて、中足部も浮いた構造ですが、それでもソールは広めの設計で、十分な接地面積が確保されています。

最初の内はホコリに弱く、大きく滑りました。

10回程度使用したくらいから、エッジのラバーが適度に削れたのか、ホコリにも比較的強くなりました。

最初は不安定ですが、少し使った後ならば安定したトラクションになります。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

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ミッドソールはファイロン製。

その上面のフォアフットとヒール部分に、ズームエアを埋め込んだセットアップ。

ズームエアの容量は小さくありませんが、ファイロンは分厚く、しかも新品の状態では異様に硬いため、全く存在感なし。

個人的に硬めのクッションは嫌いではありませんが、このモデルに関しては最初の足当たりの悪さを不快に感じました。

数回使ってようやくファイロンが馴染み、足当たりも良くなり、ズームエアも感じれるようになりました。

馴染んだあとの衝撃吸収性は良好です。


一方、反発性は平均レベル

フォアフットの屈曲部分の剛性・復元性はなかなか強く、シャンクプレートによる中足部の剛性もしっかりしていますが、反った形状により反発のエネルギーが逃げてしまいます。

その場で軽く跳ぶだけならズームエアが効きますが、動きの中ではイマイチです。

COURT FEEL - 7 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

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クッションが分厚く、ソールが反っている点は接地感にはマイナス。

それでもソール面積が広く安定性はあるので、そこまで悪くない感覚。

トータルで平均レベルでしょう。

FIT/LOCKDOWN - 7 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

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ヒール周りと、アッパーのライン状に刺繍された部分にはパディングがあります。

またタンは底面とラバーバンドで繋がっていて足をしっかりロック。

そのため足入れしただけで、結構なフィット感があります。

ヒールの成型も良く、抜け感なし。

丸紐ですが、解けやすい事もありません。


マイナスポイントはレザーの硬さと巻き上がったサイドのミッドソール。

特に急な切り返しでは、足当たりは優しくありません。

むしろ慣れるまでは痛いでしょう。

トータルでギリギリ平均レベルのフィット感かと。


サイズに関しては、通常のナイキサイズで良いと思います。

但し、サイドの足当たりが厳しめなので、足幅の広い型はハーフサイズアップの方が良いかもしれません。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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シューズはカッチリした作りでソールはほとんど変形しません。

アッパーのレザーもかなりの強度があります。

ヒールカウンターの収まりも良く、ソールも安定性があります。

フォアが反った形状である分、マイナスになりましたがトータルでは素晴らしいサポート性が確保されています。

LATERAL TRANSITION - 7 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

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反ったソールは接地のタイミングが遅れ、左右方向への動きへ影響しがちですが、このモデルは広いソールのおかげで接地タイミングは比較的ナチュラル。

剛性ある作りなので切り返しにも強いですが、足当たりが強すぎる部分があるのでマイナスです。

HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

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フォアの反りは前後方向への動きにより干渉してきます。

強制的に前へ前へ転がるように重心が押し進められる、直線的に走るランニングやスプリントには適した構造。

こういった強制的な加速は、バスケの動きの中ではむしろ邪魔、だと個人的には考えているので大きくマイナスです。

動き出しやジャンプのステップなど、コートと摩擦を多くしたいシチュエーションでは、フラットなソールに比べて遅れる感覚があります。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

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タンのメッシュ部分以外に通気できる箇所はなく、タンも若干厚めで、大きな通気は期待できません。

90年代のバッシュらしい通気性は度外視した作りです。

DURABILITY - 10 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

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全体にかなり剛性があり、ほとんど変形しないつくりは耐久性にはプラス。

またレザーも強度があり、しっかり刺繍されています。

ズームエアを覆うファイロンも分厚いので、簡単にはダメージは来ないでしょう。

耐久性は最高レベルかと。

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

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約451g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

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オリジナルより少しレザーやファイロンの硬さが増している気がしますが、馴染んだ後の履き心地はオリジナルにかなり近いと感じました。

そこで、当時言われていた“エアジョーダンシリーズ以上のパフォーマンスか?”と聞かれると、そこまでではないかと。

同年の“Air Jordan XIII(13)”“Air Jordan XIV(14)”のオリジナルは素晴らしい履き心地でした。

XIII(13)XIV(14)の近年のレトロは作りが酷く、履き心地はかなり残念なので、そのレトロと比較するなら、このモデルの方が断然良いでしょう。


90年代のバッシュの中でもカッチリした作りの部類に入ると思いますので、体重の軽いプレイヤーはクッションが馴染むまでけっこうな時間が必要でしょう。

体重あるプレイヤーや身体能力系のプレイヤーはすぐ馴染み快適だと思います。

個人的には、普段からXI(11)VII(7)などレトロバッシュでプレーしていますので、ソール形状以外は好感触でした。

現代のバッシュと比較しても、十分張り合えるレベルかと。

  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 7/10
  • FIT/LOCKDOWN - 7/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 7/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 10/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B 78 / 100

PERFORMANCE RANKING

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