Nike Air Zoom Hawk Flight(2015) Performance Review

- テストカラー:Class Of 97 Pack(805272-001)
- 主な機能:Full-length Zoom Air, Phylon Midsole, Carbon Fiber Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Gary Payton, Draymond Green, Zach Lavine, Ray Allen
- 価格:¥- / $ -
Introduction
今回は"Nike Air Zoom Hawk Flight(ナイキ エアズームホークフライト)"のパフォーマンスレビューです。
オリジナルは1997年に発売され、主にシアトル・スーパーソニックスのゲイリー・ペイトンが着用。
今作は2015年に"Class of '97 Pack"として"Air Foamposite Pro"と2足セットで復刻されました。
⇒NIKE AIR FOAMPOSITE PRO(2013) PERFORMANCE REVIEW
そのフォームポジットプロはじめ90年代後半のナイキバッシュには名作が多く、今作にも期待したいところ。
オリジナルは履いたことが無いので比較はせずに詳細を見ていきたいと思います。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
フォームポジットプロと同様のパターン。
複数の「ヘリンボーン」のセクションが「グリッド」で分割されています。
ラバーはヘリンボーン部分が「ソリッド」、周囲は青い「トランスルーセント」です。
両ラバーは粘性(変形のしやすさ)、粘着性ともに高めの質感。
体重を掛けるとこのグリッドが適度に沈み、接地面積は大きめに確保されています。
スキール音はほとんど鳴りません。
強力ですが、急ストップ過ぎる事もなく扱いやすいトラクション。
ホコリの影響も最小限で、ほぼ拭く必要はありませんでした。
アウトソール単体なら最高クラスのトラクション。
フィットがかなり難しく、体重が乗らないシチュエーションがあるためマイナス2ポイント。
詳細は後の項目で。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」の上部に「フルレングス・ズームエア」を埋め込んだクッション・セットアップ。
ファイロンはやや硬めの質感ながら、薄く、フルレングスズームのフカフカした感触が足裏でしっかりと感じられます。
ズームエア自体も薄めですが、吸収性に関しては快適な部類に入るかと。
フォアフットの屈曲剛性、中足部の捻れ剛性ともに平均レベルで、反発性は悪く言えば弱く、良く言えば優しめです。
フォームポジットプロに比べ、ズームエアとアウトソールは薄く、シャンクプレートは小さい。
結果ソールの屈曲剛性、捻れ剛性ともにマイルドに。
加速感は感じませんが、薄めのクッションのお陰でコートに物理的に近い。
おかげで沈み幅は少なく、クッションのソフトさはある程度相殺され、接地からの反応速度はまずまず。
ただここでもフィットの難しさから来る体重乗らない問題が影響し、トータルではギリギリ平均レベルのクッションに。
フォームポジットプロと見た目は同じソールですが、実際はかなり違う結果になりました。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションは薄めで、コートとの物理的な距離は近め。
ただ急な切り返しではソフトなクッションが微妙なブレを起こします。
両方が相殺して、やや近さが勝っている感覚。
接地感もフォームポジットプロとはだいぶ異なります。
FIT/LOCKDOWN - 7 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「独立タン」をヌバックの「アッパー」が覆うクラシックなセットアップ。
"Nike Air Penny 2"の様にミッドソールはアッパーサイドに大きく巻き上がっています。
その巻き上がりの中央には「TPUパーツ」を配置。
※撮影者を綺麗に反射してくれます。
⇒NIKE AIR PENNY II(2) (2015) PERFORMANCE REVIEW
この「巻き上がり」はけっこうな曲者でエアペニー2でも左右からの抑えを弱める働きをしていました。
今作でも巻き上がりの位置するヒール周りではゆとりを感じます。
ヒールカウンターの成型も広く、シューレースホールの最上段も前寄りの配置で、カカトの抜け感あり。
またトーボックスには高さがあることから、中足部のみタイトというアンバランスなフィッティング。
今作はハーフサイズダウンをソックス減らして履いているという点を考慮しても、ギリギリ平均レベルのフィットかなと。
※↑マイサイズでソックス2枚ならもう少しヒールとトーボックスを埋めれた可能性があるため。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作にEPラストは存在せずすべてグローバルラスト。
マイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの「27.0cm」を購入。
いつものソックス2枚では無理で、1枚に減らして長さはジャスト。
前述のとおり、トーボックスには高さが、ヒール周りは幅にゆとりがあります。
フォアの幅はグローバルの中でも若干狭め。
中足部は幅・高さともにややタイトです。
なかなか合わせにくい仕様ですが、極端に甲高・幅広の方以外は基本グローバルのマイサイズでソックス調整が良いでしょう。
※「スーパーフィートのグリーン」や"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」は試す前に手放してしまったので評価は無しです。
SUPPORT - 6 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
個人的には靴擦れや関節の痛みは感じませんでしたが、フィットの難しさは確実に存在します。
怪我しがちなプレイヤーにとっては避けるべきバッシュかもしれません。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
フィットの緩さと細かく生じるブレから、遅れを感じます。
強力なトラクションと、アッパーの相性があまり良くありません。
クッション同様にギリ平均レベルのトランジションと言ったところ。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向と同様にトラクションとアッパーのアンバランスさの影響を受けます。
左右より前後方向の方が動きやすい感覚はありますが、スコアアップするほどではないかと。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンからの通気がメインです。
フィットが緩い分、少し通気してる気がしますがスコアに反映させるほどでは無いかと。
素材自体の速乾性は良いと思います。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
シャンクにはカーボンファイバーが使われていますが、フォームポジットプロに比べるとかなり薄く小さいパーツ。
サイドのメタリックなTPUパーツもけっこう薄い。
難しいフィットであることを考えると、両パーツとも長期使用では少し心配に感じました。
それ以外の基本的な耐久性は問題無さそうで、通常モデル同様に一定の期間は履けるかと。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
377g(27.0cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「要リマスター」。
発売は2015年ですが、2009~2015頃の復刻はクオリティがかなり低かった記憶です。
オリジナルの仕様から、クッションやシャンクなどが減らされたり省かれたりするのが常態化していました。
世間での評判低下を受けて、2015-16シーズン頃にナイキ・ジョーダンブランドは「リマスター」と称してクオリティの改善に取り組み始めました。
リマスターのお陰で近年の復刻もイマイチですが、今作の頃に比べたらだいぶ改善されました。
2023年現在、今作を履こうとする方はいないと思いますが、もし履くならオンコートではオススメしません。
もちろんサイズをマイサイズを選んでいれば多少良かった可能性もありますが、それでも天井は低かったと思います。
履くなら普段履きとして楽しむのが良いでしょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 7/10
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SUPPORT - 6/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10